第222話 実体験主義 | らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】

第222話 実体験主義

宝石ブルー携帯からの目次を作りました  (過去記事、最初から読んでみたぃ人はどうぞ♪)


本文は小説です。

ここに書いてあることは全て私の過去の体験に基づいたもので、現在のことではありません。

ドラッグは法律で禁止されていますし、人生に悲惨な影響を及ぼすものであることを先にお伝えしておきます。



丸一日寝て

スピードが完全に抜けると

私達は普段どおりの生活を始めた。


スピードを使用した影響は

何も残っていないように感じた。


ユウは

鬱状態でも不機嫌でもなく

いつもの朗らかな性格に戻っていた。


それから私は

週末に合わせてオフを取るようになった。


平日は

私は仕事に勤しみ、ユウは勉学に励んだ。


最初のスピード体験から

2週間の間隔をあけた金曜日の夜

私達は二度目のスピードをキメた。


その日

トミーから仕入れたスピードを吸いながら

私達はおしゃべりする事にハマっていた。


スピードがキマると饒舌になる。


LSDの時のような

奇想天外な発見や

絶対的真理を伴うような発想は生まれてこないが

集中力が増し

どんな話題でもとことん話し込んでしまう。


自分自身に対する内的洞察が

鋭くなるような気がする。


「私って何でも体験してみなきゃ気がすまないんだよね。

今までもずっとそうだったなぁー。

やってみなきゃわかんないことって、たくさんあるよ!

ドラッグなんてその最たるものだよね?

LSDの超越体験や意識変容だってさ

もしも体験しなかったら、一生気がつかないまま終わっちゃうんだよ!」


私はアルミホイルを折りたたみながら

自分の性格について考えを巡らせている。


「まりもはそうだよね。 突っ走るってか・・・。

でもそれはあんまり良いことではないのかもよ?

普通はさ、不安を感じたり、危険や将来の危惧だとかを予測してやらずじまいなんだよ。

それが、人間に当たり前に備わってる防衛本能なんだと思うよ」


ユウは鏡の前で眉毛を整えながらこたえる。


「ふーーん。 じゃぁ、私はきっとバカなんだな。 

だから体験を通してしか物事を認識できない。

なんていうかさー・・・

脳内で組み立てられた理論と

実際に体験して感じた事って全然違うと思うんだけどなぁ。

ようは実感だよね!

何だって体験してみない事には

自分の身体や心がどう感じるのかなんてわかんなくない?

私はまず体験する。 それからちゃんと自分の頭で考える」


そうよ! 

体験もせずに理論だけで解った気になるだなんてナンセンスだ。

私は自分の生き方が間違っているなんて思わない。


「まぁ、それがまりもの生き様なのかな。 

実体験主義とでもいうのか・・・。

でも世の中には、知らないままの方が幸せってこともあるよ。

それにさ、

まりもは目の前に火があると「本当に熱いのか」

わざわざ自分の手を炎の中に突っ込んでみるんだ。

「うわ! 熱い!」 そう実感して初めて二度と炎には触れなくなる。

普通は最初から触れないだろ? 想像力ってのがあるもん。

まりもは一度火傷を負うぶん人より損してるって事だぞ」


ユウの分析もまた

なかなか的をえている

と私は感心する。


「そもそも

まりもは世の中の全てを経験したいわけ?

体験して何もかもを自分の内に取り込まないと気がすまないの?」

まりもは一体何を求めてるんだよ?」


ユウの問いに

私の胸中は複雑になっていく。


「私は・・・ユウと結婚したいの!

いつも言ってるじゃない? 本当にただそれだけなの。 

私、幸せになりたいのよ!!」


「でもさー

俺と結婚して幸せになりたいだけなら、本当はドラッグなんて必要ないはずだよ。

なんでスピードなんてやるんだろ? 何を求めてるのかな? 刺激?」


「うーん・・・」


確かにそうだ。 

私はスピードに何を求めているのだろう。


その問いへの答えは

是非とも見つけなければならないと思う。


私の内に

もやもやと一つの考えがまとまりはじめる。


私がスピードに求めているのは

「性的幻想」の実現なのではないだろうか。



私には誰にも言えない秘密があった。


私は一度もSEXでエクスタシーを感じたことがなかったのだ。




私のように恋愛や性に対して奔放に生きてきた女は、性的に開発されているのかというとそうではなかった。

私のSEXにはいつもイク演技が伴っていたのだ。 

好きな男に抱かれる事は大好きだったし、もちろん気持ちも良いんだけどね。 でも何かが違う。

SEXでちゃんとイク事への憧れや焦燥感は人並み外れて強かった。 

あと、繰り返しになりますが、この当時の私のドラッグに対する考え方は間違っています。


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