第033話 援助交際の掟 | らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】

第033話 援助交際の掟

いつのまにか私は
援助交際の時の約束事の様なものを

作っていた。


自分自身で決めた
これだけはゆずれない
というボーダーラインだ。


金額は5万円。
ビタ一文まける気はなかった。

貧乏人やケチには用はない。


5万円はワンプレイ料金だ。


2回したがるおやじも中にはいたが

ずうずうしくて嫌気がさす。

2回したいのなら10万円払ってもらう。


必ずコンドームはつけさせた。


おやじの中には
「パイプカットしてるから大丈夫。」
などとその場しのぎの事を言う人もいたが
そんな事を鵜呑みにする程私はバカではない。


キスは絶対にしない。

身体はあげる。
でも首から上には触れさせない。


私の貞操は唇にある。


これが私が頑なに守る「援助交際の掟」だった。


私の身体には5万円の価値がある。


おやじ達はみんな

若い身体の中に入るために大枚をはたくのだ。


私が売るのは身体だけ。


ほんの少しの時間

身体の一部分を貸しているに過ぎない。


その一部分を求めてやまないのが男なんだ。


男ってなんて滑稽な生き物なんだろう。


砂場に穴でも掘って入れてりゃいいのに。

と真剣に思う。


『援助交際っていけない事なの?』


こんな事を誰かに聞けば

途端に怪訝な表情を向けられ

軽蔑される事を知ってはいる。


でも

私にはよく解らない。


自分の身体を使ってお金を稼ぐ事が

なんでいけない事なんだろう?


一体どうして?

何故いけないの?


答えなんてどこにもない様に思う。


良心の問題だとか

道徳観の問題だとか

その辺りの理由をつけられて

煙に巻かれるのが落ちだ。


良心も道徳も人間が生まれつき持っているものなのだろうか。

それとも後天的に会得する類のものなのだろうか。


私はもしかしたら

とても重要な何かが欠落しているのかもしれない。


miu


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