第032話 SEX | らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】

第032話 SEX

おやじとホテルに入り

2時間ばかし付き合う。


『私の値段は5万円』


てっとりばやく日銭が入るので
ホステスをしているのがバカバカしくなってきた。


おやじと寝ている間
あいかわらず私は覚めて夢を見ている状態だ。


SEXで感じた事などもちろん一度もない。


SEXの時は

無感情、無感覚になる。


自分の肉体から離脱するのは

はじめての援助交際の時からずっと同じだった。


それはとても恐ろしい事のように思うけれど

そうでもしなきゃきっとやってられないのだろう。

と無理やり自分を納得させる。


人間は嫌な事を回避できるスイッチを

構築する能力があるのかもしれない。


私は援助交際にすっかり慣れてしまった。


慣れた私はテクニックを使った。


悩ましい声をたくさん出して
自分から上に乗って腰も振る。


「あ~ん。気持ちぃぃ~」

「ね~。もっと早く動いてぇ~」


一秒でも早く終わって欲しいという気持ちから

そんな慎ましい努力をしているのだ。


おやじ達は大抵は都合の良い勘違いをしてくれた。


「まりもはエッチな子だな~。」


そう言いながら
満足そうにお金を払う。


『気持ち悪い。オエ』


嫌悪感のぶつけどころがない私は
おやじがシャワーを浴びている隙に
財布から何万か抜くのも

当然の権利だと思っていた。


何をするにも罪悪感がなかった。


私の良心は何をしても全くうずかない。


そもそも良心なんてものは

微塵も持ち合わせていないのかもしれない。


関係ないや!


こんな事をする大人には当然の報いだ!


『天誅!きゃはは』


手にしたお金は湯水のように使った。


美咲が言う「汚い金」を
全部残らず使ってやった。


okane


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