SAKEROCK、実に”ホニャララ”なバンドである | Fruits of Serendipity

Fruits of Serendipity

marianneが偶然出会った「幸運の結果」。または、素敵なアレコレ(音楽,映画,本,TV,アート,Web,広告,人)への深夜に綴るラブレター。

ここ3年ぐらい最も好きで、最もライブを観に行き、同時に嫉妬の対象ともなっている
ほぼ同年代のインストバンド、SAKEROCKの新譜『ホニャララ』を聴きました。

ホニャララ/SAKEROCK

¥2,730
Amazon.co.jp

2年前に発売された前作『Songs of Instrumental』は
永積タカシさんら素晴らしいボーカリストやミュージシャンをゲストに、
帯コメント(か販促用のキャッチコピー)を糸井重里さん、ライナーノーツを川勝正幸さんという
羨ましいったらありゃしない強力な協力者とともに作られ、
私の同年代としての嫉妬心(私はミュージシャンじゃなくてサラリーマンだけれども)がMAXに達していました。

そして今作。完全にインスト・ナンバーのみではありながらも、
星野源氏の早弾きマリンバにより、これまで以上に楽曲に広がりとエキゾチックな雰囲気を付け
(でもこのエキゾチックさが海外じゃなくて東京のエキゾチックな感じなのよ)、
表題曲の「ホニャララ」なんかは頭がパーになってしまいそうなほど
実にもうへんてこりんな素晴らしい曲で、私の嫉妬の域をにゅるっと超えてきました。
嫉妬どころかもう完全に敗北っす!

そして驚くべきは、無駄に豪華なブックレット!!!
今をときめく写真家、梅佳代さんの9月22日赤坂BLITZでのバックステージ・グラビア
(このライブのとき実はトイレでバッタリ梅佳代ちゃんに遭遇。細くてカワイイ)に、
細野晴臣さんら豪華対談、天久聖一さんによるSAKEROCKインタビュー
(これってデタラメ?めっちゃ笑える)やら、小田扉さんのマンガやら
松永良平さんのライナー・ノーツ、そしてメンバー自身の曲解説・・・で44ページも!
もうCDブックレットを超えて本ですよ、これは。



9月22日の赤坂BLITZでのワンマンで、私は半年ぶりぐらいにSAKEROCKを観たけれど、
このときすでに、それまでのライブ以上になんと言い表わしたらよいのかわからない感じ
(=”ホニャララ”な感じ)を大いに感じていました。

前座の清水ミチコさん(前座に大先輩を迎えるっていうのもいつもながら凄いよねー)の
芸達者ぶりに、のっけから大爆笑&「生まれ変わったら清水ミチコになりたい!」と
思ってしまうほどに素敵なライブだったのですが、
アンコールに出てきた”カシュー&ナッツ”(SAKEROCKのメンバーが楽器を持ち替えて
でたらめロックなステージを魅せてくれる)での”ガックリ感”には、
「あんだけ良いライブをやっといて、最後それかい!?」という、
SAKEROCKでしか味わえない裏切りの快感を感じました。


そして本日。
今発売になっている『広告批評』が最後の「世界のコマーシャル」特集なので
購入したところ、”今月の広告批評”の50番目のトピックスにもSAKEROCKが!
決して一般的ではなく、もう”ホニャララ”としか言い表せないようなへんてこりんな
インストバンドが、こんなところにまで出てくるとは…。

メンバー自ら演出したPV”海外ホームドラマ『ホニャララ』”も
素晴らしくバカなので、ぜひ一度ご覧ください。
(ただ、曲を聴くのを忘れてしまうほどにバカです…↓)



嫉妬、敗北・・・そして快感へ。
次は私にどんな「コールド負け」感覚をくれるのか、
これからのSAKEROCKも楽しみで仕方がありません。


以上をもちまして、SAKEROCKへのラブレターに代えさせていただきます。