そんな事件があったあと、しばらくして、不思議とマリアローズスタッフの間に
小さな諍いが増えました。
なんてゆーか、小さな「言った」「言わない」「聞いてない」が続いたのです。
それは始めは本当に小さな始まりだったけど、積もっていってどんどん膨らんでいく。
例えば
「この間のクライアントさんからの予定聞いた?」
「予定は聞かないでいいって言われたけど」
「そんな風に言ってないよ、勘違いしてない?」
「勘違いって、予定は聞いたからもういいって言われたよ、自分で言ったことを忘れたの?」
「そんなこと言ってないよ、なんでそんな話になっているの?」
といった調子で、お互いの話がかみ合わない。
どんな小さな話も全てかみ合わなくて、スタッフ同士もギスギスしてきて
とうとう、誰とも話が通じなくなっていって、ワタシがどんどん欝になっていく。
そして、気持ちがどんどん追い詰められていって、孤独になっていって
最終的には「マリアローズを閉めて、ワタシはもう死ぬしかないのかもしれない」
と、思いつめるところまでいったのでした。

そして、ある日、とうとうワタシとさいとーくんが大喧嘩になり
2階で話し合いをすることになり、2人で怒鳴りあいながら
「ワタシの中に何かいるから、追い詰められておかしくなってるんだから
ジプシーカードで調べて、お祓いしなきゃダメだって言ってるじゃない!」
「だからお祓いするって言ってるだろう!」
「だから、調べてお祓いして・・・!」
「だから祓うって言ってんだろ、もういいから、座れ!」
と、力づくで椅子に座らされ、そのままお祓いを始めたとたん、
意識が遠くなって、机に突っ伏すワタシ。
そのまま、お経と祝詞を上げ続けるさいとーくん。
目の前が真っ暗なまま、涙が止まらなくてずっと泣きながら遠くに聞こえる
お経と祝詞をぼんやりと聞いて、そして、さいとーくんが九字を切って、
気合を入れる声がしたとたんに

ばち!

というすごい音と、壁に当たる「ばちん!」と
「あー!」というさいとーくんの叫び声を聞いたのでした。

そのとき、ワタシは無意識で身体をのけぞらせて、
その後机にばたん!と倒れこんだそうなんですが(記憶にない)
そのワタシの体から、部屋いっぱいに大きな狼にも見える、
あの榊のところで視たキツネが現れ、一言「からかっただけだろ?」
と言うと、逃げだしたのでありました。
それを、本気でキレたさいとーくんが
キツネに向かって、全力の結界の印と篭目の印を撃って捕らえようとしたら
「そんなんじゃつかまらないよ!」と、からかい混じりにぴょんぴょん逃げるので
またも全力で氣を投げたら、うっかり後足を取られて、すかさずまた投げた結界につかまり
そのまま、捕らえられてしまったのでありました。

で、なんでさいとーくんが、えらいイキオイの全力を出したかと言うと
「ばち!」という音は、さいとーくんが所有していた最強のお守りの

3 0 万 円 す る 天 珠 が 
真 っ 二 つ に 折 ら れ て い た か ら

なのでした。

昔から、霊を視てしまう体質だったので、どうしても強力な魔よけが必要で
老天珠を持つコレクターさんに事情を説明して
特別に譲ってもらった本物の天珠なのだそうです。
天珠というのは、巷で出回っているものの殆どは
偽物か新しい時代に作られたものが大半で本物を探すのはとても難しいそうなのです。
何故、天珠が力があると言われるかというと、
チベットのお坊様が、天珠ひとつひとつにお経をたくさんあげて
本当のお守りとして作り上げていったことに、強い力があって
その、本当に力のある天珠だったんだそうです。

ワタシがぼんやりと目を覚ますと、目の前でぼうぜんとしてるさいとーくん。
そして、その横に、じゅげむちゃんが丁度いたので、さいとーくんが
「じゅげむちゃん・・・これ・・・夢じゃないよね・・・
お願い、ほっぺ、叩いてみて・・・」と呟くと、じゅげむちゃんが間髪入れず

ばっちーん!

と、ほっぺたを叩いて、
さいとーくんのメガネはキレイな弧を描いて飛んでいったのでありました。

叩かれたほっぺを呆然とした面持ちで押さえるさいとーくんに、
じゅげむちゃんはニッコリと
「えへ。男の人を叩く機会ってめったにないからwwwwwww」
て言ってたけど、この状況下でその行動が出来たじゅげむちゃんは
マジ、ぱねぇと思いました。
(ところで、今思ったけど、なんでこの時、
じゅげむちゃんあの場所に居合わせたの?そういえば記憶ないわ、ワタシ。)


そして、気がついたワタシはぼんやりと自分の中を視てみたら
「死にたい」とか「辞めたい」とかいう気持ちが消えていたので
「ああ、何者かに思考を取られていたのだな・・・」
と感じていたのでありました、めでたし。









てゆことで終わるわけでなく。
閉じ込められたキツネさんですが、さいとーくんの怒りが解けないと
閉じ込められたまんまなわけですが、
閉じ込められたとこに、話を聞いてみると
そのキツネさんは、昔のワタシの伴侶だと言うのです。
ワタシの助けをするために来たと。
ただ、助けるに値する力があるのかを試したのだ、と。
仕方ないので、さいとーくんに訳を話して、結界を解いてくれるよう頼んだけど
しばらくは「えー」とか「なんでー」とかゴネておりました。
まー、結界解く代わりに30万円返せって話しよねぇ・・・
で、どうにか結界を解いて、直に話をすると
「これから、お前たちだけでは力が不足する仕事が増えるから
それを助けるためにやってきた」とのこと。
どうも、日本書紀に一番最初に出てきたヤマトタケルを導いた狐さんなんだそう。
(そんな記述があるのかと不思議に思ったら、ほんとにあった。)
「名前は何?」って言ったら「お前が好きにつけろ」と言うので
百獣の王の「百」と白狐の「白」との2つからとって「びゃく」と呼ぶことにしました。

で、びゃくさんですが、結界を作って祓うのが得意です。
お祓いをするとき、まずい状況になると必ず「生臭い匂い」がするんだけど
びゃくさんに
「びゃく!結界張って、ワタシの周りを祓って!」ってお願いすると
風 が 吹 く の さ え 止 ま る 。
周りの風がいくら強くても、ワタシの周りだけ無風になるのです。
お祓いの仕事の時は、場を読んで知らせるのがワタシの役割なので
祓いと結界は弱いので、毎日、とっても助かっております。
そんなわけで、色々ありましたが今ではマリアローズスタッフとして
狐のぬいぐるみの中を住まいとして
がんばって働いていただいています。
でも、知り合いの霊能者さんが、びゃくさんのこと聞いてなかったのに
「なのこさんのそばにいる白熊さんはどなた?」と
視えてたのには、おねーさん驚きましたよ。
びゃくさんは、白熊ではなく、狐さんなのでしたw

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