やる気
週末、賃貸営業のサポートでお客様を案内へ
鍵は業者が持っているので、連絡すると
「担当者が個々でやってますので。」
つれない返答・・・。
大丈夫か?と思いつつ
携帯へ電話すると
「現地でまってるから。」
忘れてはいなかったようで、現地へ
玄関前で待っていると、中年の男性がきて
「じゃ、これ鍵ね。終わったら、前の接骨院来てくれる?マッサージ受けているから。」
・
・
( ̄□ ̄;)
って
え?
( ̄□ ̄;)!!
お客さまと目が点です・・・。
どうなの?
それ・・・。
賃貸店舗オープン
先月から、準備をしていた、賃貸店舗
やっと
やっと
7月3日(土)
オープン!!!
スケルトンからのデザインだったので、社長と
あーでもない
こーでもない
といいながら完成
時間が迫る中
看板デザインやら
内装の家具の手配やらバタバタでしたが、なんとか形はできた。
オープン前日、
山手通り沿いということもあり
通行人がよく見る 見る
下の竣工写真を夜に撮っていたら
通行人が
これって?カフェですか?
いえ・・・。不動産です。
うれしい間違いだけど、聞いた後の通行人の方のガッカリ度は高かったようです・・。
まあ、コンセプトは雰囲気のある不動産屋さんだから、まずまずでしょう。
一眼レフで撮るとだいぶ違います!!
後は売り上げだな~・・・・。
小説:マンション屋さん 11
冬になり、各支店とも、在庫強化月間となった。
物件によっては、2週間で即日完売するものもあれば、半年でも半分以上残っているものもある。
小旗の部では、千葉の船橋エリアの物件が担当となった。
駅12分、総戸数120戸と規模感はあったが、発売半年からまだ半分以上残っている。
原因は、やはり価格の高さが災いして、広さがなく3000万円台はすぐ売れていたが、4000万円台、5000万円台のお客様がいない。
公庫3.35% 銀行2.375%でも月々14万円台はやはり厳しいの一言。
かといって、値引きなどほとんど皆無であるから、
マンパワーの全てで売らなくてはいけない。
小旗を含めた2部は半径1kmを30ブロックに分けて、完全な
ローラー作戦での「飛び込み営業」となった。
半年もたてば、物件の認知はされているので、小旗が飛び込むと
「あ、あそこのエレファントマンションでしょ?知ってるわよ。高いじゃない。」
と、奥様に一蹴される始末。
どこへ行っても、そのスパライルで小旗のやる気は徐々に無くなっていった。
1週間が経ち、エリアもほとんど潰し終わり、留守宅に再度アタックすべく21時ぐらいから飛び込み始めると
3件目で明かりがついているマンションがあった。換気扇からも夕食の匂いがする。
「カレーか。」
小旗は直感で子供がいるファミリー世帯と予測してみた。
「時間的に考えても、そんなに、小さい子供はいそうにないな。」
ある程度、頭の中でシュミレーションを開始して、ドアをノックした
「夜分に申し訳ありません。エレファントマンションの小旗と申します。最近ご住宅のご検討いかがでしょうか?」
夜の来訪をことさらに、恐縮した表情で小旗が挨拶すると
40代中盤の主人が出てきた。
「まあ、検討していないこともないけど、あんたも夜遅くまで大変だね。」
「いえ、実は、すぐお近くのエレファントマンションなんですがご存知でしたか?」
「知っているけど、中々時間がなくてね見たいとは思っていたんだけどね。」
!!
来た!!
釣りの当たりが来たように、小旗の全身が震えた
「それでしたら、是非一度、週末にご覧になってみませんか?このチラシをお持ちいただければ、プレゼントも用意しておきますので。」
「そうかい、じゃあ土曜日辺り行くかもしれないから。」
「ありがとうございます。当日、ご案内に支障があるといけないので、14時ぐらいでお待ちしていてもよろしいでしょうか?」
「まあ、約束は出来ないけど、たぶん大丈夫だよ。」
「ありがとうございます。是非、お待ちしております。」
里中と名乗る男は、チラシを受け取り、食事の途中なのでと、早々に話を切り上げドアを閉めた。
小旗は、はやる気持ちを抑えて、足早に課長に報告するため、モデルルームへと戻った。
・
・
・
・
土曜日、予定とおり、里中親子は来場した。もちろん、この時間に来るかどうかは、確信がなかったので、前日同じ時間に再アタックをして、来場を確認していた。
交渉が始まり、意外にスムーズな流れとなる。
広さ、価格ともさほど苦にならなく資金内容も問題ない。
トントン拍子でいき、申込みの段階となった。
「里中さん、他にご質問ありますか?」
「ま、特にないけど、駐車場はどうなるの?」
「お引渡のときに、希望者をつのり抽選して決めます。里中さんお車は?」
「まあ、ちょっとサイズがあるワンボックスだからね。大丈夫かな?」
「抽選なので、確実とはいえませんが、止められないことはないと思います。」
「ま、その辺はしょうがないね。お願いしますよ。」
小旗は、里中が車を重要視していない様子であったので、そのまま契約へと向かっていった。
在庫強化月間での自力契約評価は高く、プレミアムの成績がつき、通常の1.5倍の売り上げが加算され、小旗はその月、上位の営業順位となった。
順調なる営業成績で、年が明けた3ヵ月後、船橋の物件の引渡が近づいてきたが、小旗は埼玉で新たな物件営業をこなしていた。
通常、契約後はローンから引渡までは各部署に移るので、小旗がお客様と会うことはない。
その分、会社としては、より一層他のお客様の契約をあげるよう営業社員を他物件の販売を強化するのだが・・。
ここで、立った一言の過ちが、大きな問題となって小旗に降りかかってきた。
業務課から小旗に呼び出しが入り、半信半疑で会社に戻ると
「小旗まずいぞ。」
業務課長の中村がボソっと話し始めた。
次号に続く・・・・。
international?
1年前にご契約した賃貸契約者からご連絡があり、知人の住まいの相談に乗ってほしいとのこと
ありがたい限りで、早速内容を聞くと・・・・。
某TV局のキャスターで
英語、韓国語、スペイン語などを操る才女
?
?
日本語は?
と思ったら、まだカタコト
( ̄□ ̄;)
うーーむ、まずいなと思いつつ
通訳を介してお部屋を紹介。
築浅、駅から近い、広い、安い
ま、どこの国でも同じご希望があるのは、しょうがないのですが、
外人の方の場合、1人暮らしでも
1Rで20㎡台はありえないようで
代々木の27㎡を見せたら
「Realy????」
というなり、5秒で終了。
全く、だめ・・・。
結局その日は、次回持ち越しだったのですが・・・・。
本題は昨日。
メゾネットのお部屋が見つかり、本人も図面上では、かなり乗る気!!
が
通訳の人が来れないということで
友人を連れて案内して欲しいとのこと。
話している内容は、大体わかるものの、伝えることが難しい・・・・
ま、何とかなるだろうと思い、お会いすると
友人の方も
完全な英語
たどたどしい、英語で
nice to meets you
ま、出だしはクリアしたものの、徒歩ルートを案内すると
不動産でありがちな
駅から何分だとか、周辺は何があるかとか、夜道はどうだとか
表現しにくい。。。。
さらに、土地勘がない相手だから、なお、難しい。
なんとか、部屋に着いて、見せると
新築未入居だから、
気に入っている様子
が、なぜか、階段が急勾配だと言っている・・・。
・
??
・
どうも前回見せた、ロフト付きの部屋と同じ解釈をしているようで
this room is maisonette
different plan
って言ったら、何とか通じたようで・・・。
さらに、坪、畳数、㎡の単位がわからず、表現が難しかったり・・・・。
不動産英語は難しい・・・・
最終的には、申込をいただいたのですが
ここでも、外国特有の
値切り交渉
もっと安く、もっと安く
で、自分としては、この一言
Try to negotiate the rent
帰り道でも、色々と聞かれましが
メニー クックローチ?
??
?
ホワット クックローチ?
今ひとつ、理解できなかったのですが、
最近はほんと便利で
その場で相手がiphoneで翻訳を使うと
なるほど、ゴキブリですか。
殺虫剤の名前すっかり忘れてました・・・。
いやいや疲れました・・。
小説:マンション屋さん 10
2年目になり、なんとか毎月の数字はクリアしていた小旗であったが、スマートな営業とは、程遠い状況であった。
ただ、今月からスタートしていた府中の物件は、人気があり、
小旗は、運にも味方されて、月8本の契約がとれていて、やや有頂天であった。
「課長、決まりました。」
「決まったか!!よし。」
そんな、やり取りが、小旗にはたまらなく幸せであったが、ここで大きな問題がでる。
小旗はまだ、宅建をもっていなく、契約の度に、先輩社員にお願いすることが多々あった。
今回も、古沢に契約をお願いする手筈であった。
木曜日の夜、契約の日、小旗と古沢が二人、モデルルームで待っていたが、なぜか、古沢の様子がおかしい。
元々、強面で体格もよく、恐い印象が強いのだが、今日は、さらに、恐く見える。
5分後、お客様が来場されてた。
「古沢さん、お客様がいらっしゃったので、お願いします。」
「・・・・・。」
・
・
・
「あの、古沢さん?」
「何で、俺がやらなきゃいけねえんだよ!!!」
「え?」
「てめえで、契約すればいいだろ。」
「いや、でも、私はまだ宅建主任者ではないので・・・・。」
「知るか、そんなこと。」
・
・
「古沢さん、お願いします。」
「知るか、ばか。そんなに契約したきゃ、主任者証貸してやるから、さっさとやれ!!」
ボン!!
小旗の顔に、主任者証と印鑑が入った袋が投げつけられた。
・
・
・
1分
2分
3分
5分
小旗はただ、直立不動しているしかなかった。
有頂天になり、契約がでていない古沢に対して、気遣っていなかったのが災いした。
小旗はしかたなく、主任者証一式を拾い、接客ルームに向かおうとした。
ドアに手をかけたとき
「どけ、馬鹿!!」
古沢が小旗の手から主任者証を奪い取り、部屋を出た
「どうも、遅くなって申し訳ありません。」
古沢は、何事もなかったように、お客様と話し始めた。
小旗は、宅建を持っていない悔しさと、古沢への対応に申し訳ない気持ちが交錯して、ただ呆然とするしかなかった。
1時間後、重要事項を読み終えた、古沢は、席に着くなり、荷物をまとめて
無言で、部屋を飛び出していった。
謝ることもできなかった、小旗は、契約終了の報告を課長に入れなくてはいけず、受話器を上げた。
「お疲れさん、何か問題なかったか?」
「・・・。いえ特に何もありませんでした。」
それだけを、言うのが精一杯で早々に話を切り上げ、電話をきった。
ここで、今回の件を話せば事は大きなことになる。そう判断した小旗は、ただ、黙るしかなかった。
なんとも後味が悪い契約だったが、翌月、さらに大きなトラブルが待ち構えていた。