バンクーバーから車で数十分の場所にあるその通りのアパートメントを住む場所に選んだのはいま思い返せば偶然ではなかったのかもしれません。
その通りにある本屋さん には掲示板がありました。
掲示板にはスピ系の集まりやワークショップの情報がはられていました。
その中のひとつに日本人の留学生のものがありました。
彼女はスピに興味のある日本人を探していました。
ところで、当時のバンクーバーは「ホンクーバー」と言われる程たくさんの中国系の住民が住んでおり、またUBC (University of British Columbia ブリティシュコロンビア大学）という大学は地元では "University of Bunch of Chinese"（中国人だらけの大学）と言われる程アジア系の学生が多く、バンクーバーの人口の半分くらいはアジア系の住民が占めていました（おそらく現在もそうだと思います）。
それにも関わらずその通りでアジア系の住民を見たことはほとんどなかったため、その通りに住んでいるとバンクーバーではないような錯覚を覚えました。
そんな白人しか住んでいない通りの本屋さんの掲示板に日本人の張り紙を見たわたしはうれしくなりすぐに彼女に連絡しました。
日本に住んでいて見ず知らずの日本人にわざわざ連絡してまで会いたいなんてことはまずありえないと思います。
異国の地で日本人に会いたくなるなんとも言えない感覚は海外に住んだことのある方だと理解できると思うのですが、何とも表現しがたい感覚があるのです。
今でも海外に住んでいたという日本人に会うと勝手にこころの距離を縮めてしまうのは「あの感覚を知っている人だ」と無意識に判断してしまっているところがあるのかもしれません。
そんなこともあり、日本人でしかもスピに興味のある彼女に会うのはとても楽しみでした。
そして約束のその日、彼女は彼女の掲示板を見て連絡してきたというもう一人の日本人と一緒にやってきました。
つづく・・・。