栃木県さくら市教育委員会は10日、同市立氏家中学校の50歳代の男性教諭が授業中、イスラム過激派組織「イスラム国」がインターネット上で公開したジャーナリストの後藤健二さんの遺体とみられる画像などを生徒約80人に見せていたと発表した。

 発表によると、教諭は2日、2、3年生の社会科の授業で、イスラム国が後藤さんを殺害したとみられる様子の画像や動画を、教室の電子黒板に映し出すなどして見せた。動画はモザイク処理されていたが、画像は処理されていなかったという。

 4日朝に保護者から市教委に連絡があり、発覚した。教諭は「(イスラム国の)非人道的な行為や命の大切さについて、生徒たちに考えてもらいたかった」と話しているという。同市教委は10日、記者会見し「生徒たちの反応に配慮を欠き、不適切だった」と謝罪した。

 この問題で、下村文部科学相は10日、閣議後の記者会見で「軽率だけではすまされない。発達段階に応じた指導のあり方があるわけで、教育現場で配慮がなされない事態はあるまじきこと」と述べた。