間仕切り導入の「実験」も行うGW同人誌即売会の最新事情 | マンガ論争勃発のサイト

間仕切り導入の「実験」も行うGW同人誌即売会の最新事情

4月27日に開催された同人誌即売会「COMIC1☆2」では、主催者によって18禁表示用の立て札が配布された。イベント終了後に開催されたトークショーでは、別イベントでは「実験的に」会場内に間仕切りを設ける予定があることも発表された。昨年以来のゾーニング強化施策はまだ、続いていた。



COMIC1☆2にて各サークルに配布された
もの。ただし、強制ではない。


 この日のトークショーに登壇したのは、COMIC1代表の市川孝一さん。と、都産祭実行委員会より、水内康雄さんケットコムより代表の鷲見英典さんを招いて開催されたもの。
 冒頭、即売会でのゾーニングの現状について話した市川さんは、昨年暮れに東京都青少年課から「18禁表示をもっとわかりやすくできないのか?」という話があり、本日のCOMIC1で、はじめて18禁表示の立て札を導入しみたことを説明。

 これを受けて、水内さんからは5月3日開催予定の即売会・帝國メイド倶楽部では実験的に、会場内に間仕切りを設ける
予定であることが発表された。

 市川さん、水内さんは共に、これらの施策があくまで自主的に実験的に行っているものであることを強調。
 水内さんは「イベントによって、(ゾーニングの方法は)どれがよいかはわからない」とも述べた。
 
 鷲見さんは、「(ゾーニングは)会場側(都産貿)から文書で出されたので、やるしかない。これまでも電話で色々といわれていたが無視をしてきた。ゾーニング自体は反対。Pio(大田区産業プラザPiO)などの会場で開催する際にはゾーニングをしない」と述べた。
 これに対して市川さんも「文書が出てしまうとダメですよね」と答えた。




閉会後、30分ばかりのミニイベントにも
関わらず、100名以上の参加者が集まった

 
 また、水内さんからは「都産貿側からは“主催者は信用できるがサークルは(18歳未満に販売する可能性があり)信用できない”」との声が出ていること。フェチ系のテーマを扱う即売会は、昨年都産貿側から問題視された即売会・アブノーマルカーニバル(ABC)が裏で糸をひいているのではないかと思われていること。さらに、東京都は鷲見さんの運営する同人誌情報サイト・ケットコムをはじめサイトのチェックも行っていることが述べられた。
 
 こうした会場側の対応について鷲見さんは「会場側が気にしているのはマスコミ」と述べ、昨年『読売新聞』の「都施設でポルノ漫画即売会、過去6回開催」と題した報道が、まだ尾を引いていることを感じさせた。

 市川さんは、こうした状況の中で「自分のイベントやサークルにもっと自信を持って欲しい」と、この件をまとめた。
 
 トークでは、児童ポルノ禁止法の改定問題にも触れられ、市川さんは「我々にできることは限られている」としながらも「単純所持規制には欠点が多数ある。もっと慎重に考えて欲しい」と、今回、創作物が規制対象から外れたても問題は未だ終わっていないことを呼びかけた。

 最後に、ガタケット代表の坂田文彦さんも登壇し「現在、児ポ法の問題はマンガやアニメが規制対象から抜けたが依然として流動的。十分に注意しながら対応してゆきたい」と発言。今後の活動予定として6月7日に、即売会主催者・書店・印刷所を対象に児ポ法問題の勉強会を開催。また、シンポジウム開催を検討してゆくことにも触れた。

(昼間 たかし)