ヤフー株式会社「十分な議論のうえで基準を明確にされていくことが重要」 | マンガ論争勃発のサイト

ヤフー株式会社「十分な議論のうえで基準を明確にされていくことが重要」

 (財)日本ユニセフ協会の「なくそう!子どもポルノ」キャンペーンの賛同団体に名を連ねるヤフー株式会社に質問票を添付し取材を申し込んだところ、本日、以下のような回答を頂いた。
 早急に対応してくれたヤフー株式会社に感謝しつつ、筆者の送付した質問事項と回答を掲載する。
 回答文への評価は、読者諸氏に委ねたい。


1:今回、日本ユニセフ協会の署名に企業として賛同した理由をお聞かせ下さい。

2:社内ではどういった議論の結果、賛同することになったか教えて下さい。

3:児童ポルノ禁止法の制定時から幾度も繰り返されている議論ではあります
が、単純所持規制に関しては、警察による別件逮捕や家宅捜索等の恣意的運用の
危険性が非常に高いこと。冤罪を引き起こす可能性があるという意見について
は、どうお考えでしょうか?

4:今回「準児童ポルノ」と指摘されているマンガ・アニメと性犯罪の因果関係
については、関係ある、ないの論議が対立しており結論を見ておりません。にも
関わらず、安易に規制を行うことは「表現の自由」を侵害するのではないか? 
という意見もありますが、ヤフー様ではどうお考えなのでしょうか?

5:ヤフー様が賛同しておられるユニセフ協会の署名に添付された要望書により
ますと、「欧米各国では法律等で禁じられている子供への性的虐待を描いたアニメ・漫画
やゲームソフト」とあります。具体的にどこの国で、どのような法体系によって
禁じられているかヤフー様では把握されておられるのでしょうか?

6:ヤフー様のホームページ内のコンテンツ「セキュリティ特集2008年春」にお
いて、「NGO「ECPATスウェーデン」によると、05年4月から8月までに開局となったサイ
トのホスト先は[1]米国[2]日本[3]ロシア──の順に多い」との記述があります。
ところが、国際エクパットもデータを利用しているイギリスのインターネット監
視団体「Internet Watch Foundation」の「IWF reveals 10 year statistics on
child abuse images online」によれば、画像の「発信源」であるサーバーの所
在地は
51% appeared to be hosted in the US
20% appeared to be hosted in Russia
7% appeared to be hosted in Spain
5% appeared to be hosted in Japan
という結果になっております。
つまり、日本が2位というのはデータのひとつに過ぎず、「ECPATスウェーデ
ン」のデータを提示するのみでは「ヤフーは極論に寄っている」という印象を持
たれかねない思うのですが、これについてはどうお考えでしょうか?

7:マンガ・アニメ・ゲーム・インターネットへの過剰な規制は、コンテンツ産
業の振興を妨げる可能性があるとの意見もありますがこれについては、どうお考
えでしょうか?

8:そもそも、日本ユニセフ協会の今回の署名活動趣旨には全面賛成なのでしょ
うか?それとも総論賛成各論反対なのでしょうか?




以下、ヤフー株式会社からの回答。

丁寧な取材依頼いただきまして恐縮です。

今回のご取材へは以下の通りまとめて回答させていただきます。

弊社では、国民全体の福祉を考えていくことが
企業市民としての役割だと考えており、
従来から児童ポルノの撲滅のために努めてきております。
今回日本ユニセフ協会のキャンペーンに賛同したのは、
日本では単純所持が処罰対象となっていないなど海外との相違があり、
児童ポルノのように国際的な取組み求められている分野では
国際的な整合協調性を図っていくことが重要だと考えているためです。

また、今回の要望書では、
単純所持規制の対象とすべき形態や禁止されるべきアニメ等に関する
構成要件レベルでの具体的な基準は含まれておらず、
これからの議論に委ねていますが、
まさにこれらについて十分な議論のうえで基準を明確にされていくことが
重要であると考えています。


なお、要望書の記載内容に関連するご質問は
弊社が代表して回答すべきものではありませんので、
とりまとめをされた日本ユニセフ協会にお尋ねください。


下記の日本ユニセフ協会の発表も合わせてご参照ください。

日本ユニセフ協会 2008年3月17日 東京発
子どもたちの権利を守るために、皆様のご理解とご協力をお願いします
http://www.unicef.or.jp/special/0705/cyberporn04.html


以上よろしくお願いいたします。

ヤフー株式会社広報室
担当者氏名は省略


 昨週、取材申込みの際に電話にて話した時、担当者からは
 「当社としては偏った意見はあまり相手にしたくない」
との発言もあった。と、すると「十分な議論のうえで基準を明確」にしてゆくことがヤフー株式会社の基本的な方針と理解してよいのだろうか…さて?

(昼間たかし)