【都産貿】使い捨てリストバンド導入で、年齢確認は必須に? 前編 | マンガ論争勃発のサイト

【都産貿】使い捨てリストバンド導入で、年齢確認は必須に? 前編

 昨年の新聞報道をきっかけに始まった、東京都立産業貿易センター(都産貿)の同人誌即売会問題。2月10日に開催された、即売会では試験的に使い捨てリストバンドの着用も導入された。イベント開催を維持するために主催者たちの試行錯誤は続いている。

一般市民にもわかる対策が求められている

「都施設でポルノ漫画即売会」なる記事が、読売新聞夕刊に掲載されたのは、07年10月のこと。記事掲載の背後関係に様々な憶測が飛び交う中で、都産貿台東館では「公序良俗に反している」として「マニアック総合同人誌即売会 アブノーマルカーニバル」に今後の貸し出し拒否を表明。以降の別の即売会でも、職員が出勤して見本誌チェックに立ち会う事態となった。

 一方、都産貿浜松町館では、イベントが中止されることはなかったものの、第三者にも形でのゾーニング(区分陳列)等が求められ各主催者との間で折衝が続けられている。そうした中、2月10日に浜松町館で開催された女性向け即売会では、年齢確認とリストバンドの着用と共に成年向け同人誌を袋詰めせよとの指示が行われ、すわ規制強化かと注目された。

「(袋詰めの指示は)申し込みの時に一般向け、成年向けの申告が不十分だったために、一部、本来成人向けに配置するものが混ざってしまったことに対する対策です。今後は、(頒布する同人誌が)一般向けか成年向け申込み用紙に記入してもらう形を進めています。いまは、過渡期だからどうしても混乱が生じてしまっていますね」
 とは、『マンガ論争勃発』でも話を聞いた即売会主催者・水内康雄さんの話。

 浜松町館では、成年向けを区分していることがわかるように、会場図を掲示したりポップを表示する取り組みが求められている。販売物の内容よりは、即売会に関係ない一般市民が見たときの見かけ上の対策を求めているわけだ。

「備品のパーテーションを使用して、会場自体を間仕切りしてくれとの要望もありますけど、イベントの一体感が損なわれるからと断固拒否しています」(同)


2月10日の即売会で使用された使い捨て
リストバンド。制作費は一枚20円程度である

 主催者側と交渉のテーブルを持ち、即売会開催を継続させてゆこうと努力している浜松町館に対して、台東館は迷走気味だ。職員による見本誌チェックを開始した当初にあった、ギャグマンガの流血シーンにクレームを入れるような騒動は治まってはいるものの、即売会自体の扱いに苦慮している様子。
 取材を行った2月時点では、即売会の申し込みは、仮予約のみしか受け付けていなかった。

「台東館では、未だに即売会を受け入れる為のルールができていない。この間、浜松町館では主催者に誓約書を書かせたりと、一定の目に見えるルールをづくりをしてきた。その資料を渡してはいるようですけど…」
 とも水内さんは話していた。

 2月末からはようやく浜松町館と同じような形の書類を使用して即売会主催者からの予約を受け付けるようになった。しかしながら、これまでの混乱した対応をみると、不安は払底できない。

【註釈】
 いわゆる「都産貿問題」は、07年10月22日に『読売新聞』東京版夕刊に「都施設をポルノ漫画即売会に使用 公社が貸し出し中止へ 過去に6回」という記事が掲載されたことを機にする問題。
 記事中では都立産業貿易センター台東館(都が所有し、東京都中小企業振興公社が管理)の名前が指摘され、問題は都産貿・浜松町館のほか即売会に会場を貸し出していた各施設に波及した。

詳細については、下記リンクを参照

・まとめサイト
http://addb.s247.xrea.com/index.php?Diary%2F2007-10-22

・@++ - あっとまーく・いんくりめんと
http://blog.livedoor.jp/increment/

【続く】

(昼間たかし)