2008-03-01 00:05:39

松浦大悟参議院議員インタビュー【第2回】国家の介入は「国民の自由を守るため」に

テーマ:シリーズ連載:コンテンツ産業と法規制
自分の価値観に合わないものを排除してよいのか

--10年前を振り返って、当時と異なるのはどういった部分でしょうか?


松浦さん:あの当時にも、道徳法という形で自分たちの価値観に合わないものを排除してしまおうという人は確かにいました。ただ、それでは近代法の体をなさないので、子供たちの人権を守るための法整備をしようというところに着地しました。


 ところが、今はそれがなし崩しにされ、自分たちの価値観に合わない異質なものを排除してもよいという欲望が見え隠れしていると感じますね。


--そうした欲望を実際に感じたのはどういった点でしょうか。


松浦さん:昨年10月に内閣府が「有害情報に関する特別世論調査」を発表しています。この中で内閣府は、「有害コミック等が性的犯罪を助長すると言われていますが、規制すべきか」というアンケートを行っています。ところが、法務省は、以前私が法務委員会で「マンガやイラストが青少年の人格形成に影響を与えるとするデーターはあるか」と質問しましたが、「そういったものはない」と回答していました。

参考:http://www.dai5.jp/cgi/kokusei/blog.cgi/permalink/20071219152844



にもかかわらず法務省は、その内閣府の世論調査結果を今でも国会議員に配布しているのです。

 やはりそこには、マンガやイラスト表現を取り締まりたいという法務省の欲望を感じずにはいられません。


--法務省とは、どのような場所でやりとりを行っているのですか?


松浦さん:法務委員会のほか、民主党内の会議でやりとりを行っています。






松浦さん、タテ
国家は積極的に介入すべきは、国民の

自由のためではないか、と話す松浦さん




児童ポルノを定義できない法務省との答弁


--法務省は児童ポルノの定義をどのように考えているのでしょうか?


松浦さん:民主党の会議では「もし、30歳の女性が子供の頃に撮影したヌード写真をブログにアップした場合、児童ポルノとして処罰対象になるのか? 仮に、そうであれば一体誰の人権を侵害したことになるのか?」と質問しました。


これに対して、法務省は、「子供の人権を侵害したとして処罰の対象になる」と回答しました。そこで「成人の女性が、自己決定で公開したものが誰かを傷つけていることになるのか?」と聞いたところ「本人は傷ついているハズです」と答えるのです。


そこで、若い夫婦がブログで行っている育児日記で子供の裸の写真をアップした場合はどうなのか?と尋ねたところ「児童ポルノにあたらない」といいます。性欲の対象は多様でペドファイルの目から見れば刺激を受ける可能性もあるわけですが、法務省はそれらの判断は裁判官が一般の社会通念を加味して行うものだというわけです。


--欧州では児童ポルノに対して「社会秩序に対する罪」等を明文化している国もあります。今のお話をお伺いした限りでは、法務省には、そういった見解もないのですね。


松浦さん:そうです。ゴリ押しなんです。これでは、ただ、自分たちのテリトリーを広げたいという欲望だけが、あるのではないかと思ってしまいます。単純所持の定義についても、一方的に児童ポルノ画像を送りつけられた場合等はどうなるのか?とも聞きましたが答えてもらえませんでした。内容が詰められていないのに、規制の動きだけが進んでいるのです。


 ネット規制に関していえば、ネット技術の中はブラックボックスでシロウトには伺い知れないため、一旦規制されれば、チェックができなくなってしまう。アメリカの憲法学者ローレンス・レッシグは、あえて国家がそこに介入することで国民の自由を守ることができるようにするべきであると主張しています。しかし、そういう意識を持っている人は少ないのが現状です。



【続く】


(取材:永山薫/昼間たかし 構成:昼間たかし)



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