久々の河井先生の新刊です。
裏の初出を見たら、2005年から始まっていてビックリしたよ。
約4年間ですか。
『Chance!』(作:河井英槻)
〔あらすじ〕ある夏の日、水泳部のホープの九条は上級生の水村に一目惚れをする。近づいたつもりでも水村は水のようにとらえどころがなくもどかしさが募るばかり。
一方、水村は、実家の映画館が立ち退きを迫れる中、誰よりも早く泳ぐ九条の姿に希望を見出していた——。
胸の痛みが心地いい。極上のセンシティブ・ラブ、ついに単行本化。
この話しもそうなんですが、河井先生の話って“切ない”って言葉が似合うと思う。
それが、バットエンドでもハッピーエンドでも。
基本的に誰かしら大きな禍々しいナニかを抱えているからかもしれない。
商店街を新しくするために、水村の祖母が経営するポルノ映画館が邪魔で、立ち退くよう嫌がらせが毎日のようにやってくるんです。
警察に言っても、町の人達はグルのようなもので、助けてくれるはずもない。
日に日に嫌がらせも酷くなる一方で。
なぜ、そんなにも映画館を守ろうとしているかというと、祖父が始めて大切にしてきたから。
祖母にとっては形見のような場所なんです。
祖母の願いでもあり、水村も必死に守ろうとしていて、祖父の葬儀の日に何気なく流れていた水泳のレースの決勝で、同じ学校の九条が出ているんです。
もし彼が勝てたら…とある賭けを水村はするわけで。
きっとこれが、水村の恋の始まりで、ちょっとしたことがきっかけで九条も水村に一目惚れをして。
九条にとっては出会いが出会いだったので、水村は謎の美人さんって感じ。
２人の距離が縮まるほど、映画館の嫌がらせが酷くなっていくのが、痛々しかった。
九条に知られたくないから、水村は必死に隠すけど、バレてしまいます。
水村にとって安らげる場所は九条の側にいることになっていって。
密かに最悪な文化祭の夜のシーンが好きです。
このラブラブっぷりがたまらんよ。:*:・(￣∀￣)・:*:
お花がとんでるくらあだもん。
その後に起きることが辛いですが、水村は家族の前でも警戒心が解けない状態でいて。
本当に支えてくれる人は水村だけなんだな、と。
後日談が可愛かった～。
まさか同棲してるとはっ!!
もう離ればなれになる心配はないんだね。
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