もう限界と思ったせおてんは

親のいうことは絶対に聞かない と決心


一人暮らしを始める事になったのです


安アパートは風呂なし 

ボットントイレ(汲み取りです)

暖房なし

簡単なガス台

一組の布団

後は 食器棚だけ 買ってくれました。


寒いでしょって

今でも親友の福ちゃんが、こたつとこたつ布団をもってきてくれたり

どう生活するのかもわからないせおてんをいろいろと心配してくれて

身体も心も温かくなれた


福ちゃんは 今でも本当の家族同様

何かあれば 何をさしおえても 絶対に飛んでいく

いつでも そう思ってる関係


自由になれて、心も楽になれるんだろうと思っていた一人暮らし

もちろん すべて自由~

でも自由で嬉しいと思えたのは その時だけ


薄い壁は そこを歩いている足音が筒ぬけ

話し声も すぐそこにいるのがわかります

ガッと ドアを破って 襲ってくるのではという 妄想

隣りのドアがガタン開く音に ビクっ

ガラス窓が ガタガタすると心臓がドキドキ

こんなに音が 怖いんだ… 


夜になると 布団の中に潜って 息をひそめ

あたりの気配に注意深くしながら身体を丸めて寝る

ぐっすり寝られなくなった

手足が自由に伸ばせるはずなのに

心が自由に楽になるはずだったのに

深い孤独だけに包まれた


親の元 家の中にいても孤独だと 思ったけど

外にでても 孤独

どんな状況になっても 同じ…

人間は 結局 孤独なんだって 

その時 がっかりというか、あきらめのような感覚になった。


孤独で怖くても帰りたいとは思わない…

違う

自分に戻れる家はないって 覚悟だけだったと思う
この家庭を壊しているのは自分 という思いが 

ずっと心を覆っていたから


あの家は せおてんがいなくなることで

テレビ見ながら 弟や妹の笑い声があって

母が そんな弟や妹の細々と世話をやく

温かい家庭の団欒になったんだろうと思うと 

どこか 嬉しく感じて

ふっと 笑顔になって 

そのくせ ものすごく悲しくて 泣いてる自分がいて

訳がわからない混じり合った感情


もう親とは 関係ない

もう縁は 切れたんだ


自分は一人きり そう思っていました。


学費とアパートの家賃は親が支払ってくれる

でも 生活をしていくために 働かなければなりません


せおてんは

不思議なんだけど

お金がなくて不自由するとか

生活が出来ないとは ぜんぜん思わなくて

この当時 お財布には 100円ぐらいしか入ってなくても

ぜんぜん気にならないんです。

でもその代り?

心の中の不自由ばかりが気になってしまうんです。


 

とりあえず 働きはじめるところは 

母親の知り合いのスナック喫茶でした。


感謝

せおてん

ペタしてね




気にならないと言っても生活できません