今年の誕生日にはDVDと本、食事のプレゼントをもらった。DVDはシットコム、Third Rock from the Sunを2シーズン分。本は今年の5月にゴリツィアの出版社LEGが出したばかりの第1次大戦時の東部戦線に関するものとルーチョ・バッティスティのインタヴューや作品解説で構成されたものだった。
 論文を書いているとき鬱っぽくなって人付き合いが悪くなる、という研究者の友達や先輩は多い。「観葉植物としか話せなくなる」と言う人もいるくらい。私はそこまで極端ではないけれど、1日中部屋に籠もってじ~っとしているとどうしても気持ちが落ち込んでくるのは確か。かといって身支度を整えて外出するのは時間とエネルギーの無駄のような気がするし…。そんなときに研究と関係のない本やDVD、 CD、楽器などが大きな救いになる。
 Third Rockは以前アメリカで見て気に入ったシットコムで、エイリアン(宇宙人)の地球調査団一行が物理学者とその家族に身をやつし、アメリカ中西部の町で人間や社会を観察しながらコミュニティに適応していく話。エイリアン(外国人)として(特に英語圏で)研究生活を始める留学生にとってはなかなか面白いのではないかと思う。主人公Dick Solomon役を務めるJohn Lithgowはオランダ系の舞台一家に生まれ、ハーヴァードの奨学生として演劇を学んだ後、フルブライト奨学生としてLondon Academy of Music and Dramatic Artで勉強を続けた。共演者も丁々発止の掛け合いを得意とする舞台役者やコメディアンが多く、役作りでマルクス兄弟を意識したという話にも納得。なんとJohn Cleeseが出演する回まである。
 ただまあ同じ場所に数年住んでいればある程度コミュニティに同化してしまうから、シリーズを重ねる毎に新鮮味に欠けてきて、とってつけたようなハプニングや色恋沙汰がネタになり、数あるどたばたシットコムの1つになってしまうのが残念。オススメできるのはせいぜいシーズン2までかな。