品質マネジメントの原則 | 京都で働くコンサルタントのブログ

品質マネジメントの原則

皆さん、こんにちは。
(株)マネジメント総研の小山です。

「ISO 9001」は品質マネジメントシステム(QMS)の要求事項が規定された規格ですが、QMSの基本及び用語について規定された規格として「ISO 9000」があります。

QMSの認証を受けるには、「ISO 9001」の要求事項を満たす必要がありますが、その「ISO 9001」は、「ISO 9000」に規定された“品質マネジメントの原則”が土台となっています。

従って、組織の目的・戦略に沿った成果を、より確実/効率的/効果的に達成できるマネジメントシステムに育てていくために、この原則を疎かにしてはいけません。

ということで、今回は“品質マネジメントの原則”についてご紹介します。


今年の9月15日付で「ISO 9001」が改正されましたが、実は同じ日付で、「ISO 9000」も改正されました。
(9/23に発行されましたが、日付は9/15付となっています)

改正ほやほやの“品質マネジメントの原則”は、旧版(2005年版)では8原則ありましたが、今回の改正で見直され、7原則に整理されました。


以下、概要を順にご紹介します。


(1) 顧客重視
・顧客満足及び期待を超える努力が、品質マネジメントの主眼。
・表題は旧版と同じ。

(2) リーダーシップ
・メンバーを同じ方向に一致団結させる状況を作り出すことが
 あらゆる階層のリーダーがやるべきこと。
・表題は旧版と同じ。

(3) 人々の積極的参加
・価値を創造し提供する組織の能力を強化するためには積極的に
 参加するメンバーが不可欠。
・表題は旧版の“人々の参画”から変更された。
 (“involvement”から“engagement”に変更された)

(4) プロセスアプローチ
・活動を首尾一貫したシステムとして捉えマネジメントすること
 により、効果的かつ効率的に成果を導くことができる。
・旧版の“プロセスアプローチ”と“マネジメントへのシステム
 アプローチ”が統合された。
 (関連性が強く統合した方が理解が進むと考えられた)

(5) 改善
・成功する組織は、継続して改善に焦点を当てている。
・表題は旧版の“継続的改善”から変更された。
 (“改善”には、“改革”と“継続的改善”が含まれる)

(6) 客観的事実に基づく意思決定
・望む結果を得るためには、データや情報の分析・評価をもとにした
 意思決定が肝要。
・表題は旧版の“意思決定への事実に基づくアプローチ”から変更された。
 (“factual”が“Evidence-based”に変更)

(7) 関係性管理
・利害関係者との関係をマネジメントすることが持続的成功につながる。
・表題は旧版の“供給者との互恵関係”から変更された。


「ISO 9000:2015」では、これら7原則に対して、以下の4項目についてまとめられています。
・「説明」
 上記は、これをもとに概要をご紹介しました。
・「根拠」
 原文は、“Rationale”です。
・「主な便益」
 箇条書きで示されています。
・「取り得る行動」
 同じく箇条書きで示されています。

これら4項目により各原則の理解が深まります。

そして、この7原則を眺めることで、次のステージに進むために解決すべき課題が自然と見えてくるものと思われます。


ぜひ、「ISO 9000」も手に取って、開いてみてください。