Tさんご夫妻と娘
愛ちゃん、再び。
4月に愛ちゃんを紹介され、昨日、2回目、愛ちゃんにお会いする。
4月に会ったときの様子は、こんな感じ。
Tさんご夫妻から、「娘を連れて行く、会ってね」と連絡があり、その日を楽しみしていた。
ただ、Tさんご夫妻には、娘はいないはず・・・・。
その日が来た。お会いすると
30歳代、背丈165センチ位、化粧気はないが彫りの深い大柄な美人だ。
話を聞くと10数年前、飲食店でアルバイトをしていた娘?に奥さんが話し掛けて、
「遊びにいらっしゃい」と誘ったとのこと。
それから付き合いが始まり、かくして、ご夫妻は日本の父母になり、ご夫妻に娘が誕生したということになった。
娘さんにお会いした時、話をしていた時も異変を感じなかったが、ご夫妻が最初にあった時は、辿々しい日本語だった。
それで、声を掛けたという。
その時の娘は、中国新疆ウイグル自治区の出身で日本語の留学生。その後、大学に留学そして日本で働き始める。
3年前に日本に帰化、現在は、介護士として働いている。
名前は、姓を聞いたがチンプンカンプン。なにせ、新疆ウイグル自治区の時の名前を取ったとか。名は「愛」。
ご夫妻は、愛ちゃんと呼んでいる。ボクも愛ちゃんと呼ぼう。
帰化してから、戻っていないという。いや、戻れない事情があるという。
国には、両親や兄たちがいるが電話すらできないと。
なぜと素朴な疑問から聞いてしまった。
田舎では、民族問題があり、新疆ウイグル自治区に住む人は、トルコ系。そのトルコ系の人たちが中国から迫害を受けているという。
愛ちゃん、スマホで見せてくれた。画面には、両手を頭の後ろで組み、膝まついてた男性が多数並んでいる。その後ろで銃を突き付けた警察官?軍人?がいる。
愛ちゃん、この写真を見ながら、男性は、皆殺されると。
家に電話をすれば、盗聴されていて、スパイとみなさ、家族に危険が及ぶ。兄は、税務署で働いていたが、刑務所に入れら、今どうしているか分からないと涙声で言う。
今、私が帰れば、スパイとして捕まってしまうとも仰る。
あまりにも非現実な話と思ったのはボクだけだろうか。
でも、今、現実にそのような、考えられないことが起きている。
愛ちゃんの話に言葉をかえすことが出来なかった。
愛ちゃん、スマホで国にいる友達の写真を見せてくれた。
民族衣装を纏った男女が笑顔で話している写真。踊っているところを動画で撮ったもの。衣装の美しさ、顔立ちが西洋人に近く彫りの深い顔立ち。笑顔がとても素敵だ。
この笑顔は、今もあるのだろうか。
希望は。
写真を見せてくれた後、愛ちゃん無伴奏の中、踊ってくれた。
民族衣装を着て、音楽がかかっていたら、それより、民族問題が解消されたら・・・と思うと、目頭が潤んでしまった。
昨日、お会いして、「お母さんが送ってきたナツメ食べて下さい」と言って頂戴した。
お母さんからの近況の手紙と一緒に、いくつかの食べ物が入っていたという。
その声から察すると、ご家族の皆さん、元気な様子が伺えた。
ありがとう。愛ちゃん、君の嬉しさと一緒に喜んで頂きます。