美しく描かれている。
いや、
「美しく描かれている」
というのは正しくない。
この映画は、
里山の暮らしをときに
ユーモラスに描きはするけれど、
ユートピアとして描こうとはしない。
にもかかわらず、
都会で暮らす僕の目に、
それはやはり美しく映った。
映画の終盤、
地震で被害を受けた家が
取り壊されるシーンがある。
長い歴史を刻んできたであろう
茅葺き屋根の家。
それが重機によって倒される様子は、
まるで年老いた巨木がその役目を終え、
自然に還ろうとしているかのように見えた。
家の取り壊しがそう見えるのは、
そこに暮らす人々の生活そのものが
生命の循環とともにあるからだし、
僕がそれを目撃したからだろう。
そこには不思議と「再生の予感」がある。
俗っぽく宣伝すると、
たったの1800円で、
愉快な田舎の親戚の家に
2泊くらいしてきたような気分になれる、
とってもお得な映画です(笑)
ぜひ劇場に足を運んでみてくださいませ。
映画『風の波紋』公式サイト
ちなみにこの映画の監督の本が
4月5日に発売されるとか。
興味のある方はこちらもチェックを。
小林茂『雪国の幻灯会へようこそ――映画「風の波紋」の物語』

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