ハイ、更新遅れまして申し訳有りませんでした><。

今回は、年末年始に取れなかった3連休をいただき
せっかくなので3日かかるお料理を作りました。

ブイヨンを作って
ブイヨンを使ってフォンを作って
フォンを使ってデミグラスソースを作って
デミグラスソースを使ってビーフシチューを作ります。

ご家庭で簡単にとは正反対な感じになっております(^。^)
でも、家庭で本格的にやりたい方の教科書のような記事になることを目指して作りました。
が、うまくまとめることは出来ませんでした・・・
凄く長いです・・・・よろしければご覧下さい。



☆ブイヨン・ド・ヴォライユ☆

----材料----3.5ℓ分
鶏ガラ----2羽
骨付き鶏モモ肉----2本
タマネギ(中)----2個
ニンジン----2本
セロリ(茎部のみ)----1本
ニンニク----1片
ブーケガルニ(市販)----10g
水----8ℓ
--------


1)下ごしらえ
①ニンジン タマネギは2センチ角に、セロリは大きめにブツ切り
ニンニクは皮を剥いて潰します。


②鶏モモ肉と鶏ガラは熱湯で3分茹でて流水でよく洗い、残った内臓 血合い 皮 脂肪を丁寧に取ってもう一度よく洗います。
 ※ここで丁寧な作業をすれば、後で灰汁と脂を取る手間がかなり減ります。写真は鳥ガラです。


2)旨味の抽出作業
①鍋に水と鶏モモと鶏ガラを入れて強火にかけ、沸騰直前で極弱火にします。
 ※澄んだブイヨンを取るために、絶対にグラグラ沸かさないで下さい。沸かすと油分が乳化して
濁り、脂くさくなってしまいます。写真は弱火で炊き始めたところです。

②①の鍋を灰汁と脂を根気強く取りながら1時間炊きます。
 ※灰汁と脂だけを取るイメージでこの作業をすると際限ないですが、脂くさくなってしまうくらいだったら湯ごと取り去ってしまったほうがいい というイメージで少し大雑把にやってもいいです。
③1時間炊いたら野菜類を全て入れて灰汁を取りながら更に7時間炊きます。
3時間炊いた段階でブーケガルニを入れましょう。
 ※灰汁は野菜を入れてから1時間くらいはよく出ますが、それ以降は穏やかなので30分に1回くらい鍋の様子を見れば大丈夫です。
 ※5時間炊いた段階でブイヨンが5ℓ以下まで煮詰まった場合は挿し湯をして5ℓにします。飽和していない液体のほうが素材から旨みが抽出されますので。
④鍋に火をつけてから8時間経ったら、ブイヨンを3.5ℓくらいまで煮詰めます。
⑤煮詰めたブイヨンをシノワなどで濾し、冷まします。
⑥冷めたブイヨンの表面に脂が固まりますのでそれをスプーンなどで除去して完成です。
写真左から3枚目までは10.5ℓの寸胴、右端は容量4.5ℓの別の鍋です。



半日かけて炊き、一晩冷まして翌朝脂を取り除いて完成します。
ブイヨンを使ってトマト鍋を作ったり野菜を煮たりするとすごく美味しいです。
濾した出涸らし(でがらし)と骨はフォンを取るのに使いますので捨てないで下さい。
骨付き鶏モモについていた肉は旨味が出切っていますがチャーハンの具にするくらいには使えます。
オススメは、出涸らしのモモ肉 マヨネーズ おろしニンニク バルサミコ酢 オリーブオイル みじん切りのタマネギとトマトを混ぜてパンに載せてカナッペにすると普通に美味しいです。
マヨ×ニンニクって凄まじい汎用性ですよね。ぜったい美味しくなりますよね。


【ブイヨンとフォンについて】
簡単に言ってしまえば(厳密には違う)下記のような感じです。もちろん例外もたくさん有りますので参考程度に。

 出汁がブイヨン
  タレがフォン


 炊くときに酒を使わないのがブイヨン
  炊くときに酒を使うのがフォン

 フレンチレストランに入った時みたいな匂いなのがブイヨン
  メインディッシュを目の前に出された時みたいな匂いなのがフォン


 ポタージュやコンソメやフォンのベースに使うのがブイヨン
   ソースのベースに使うのがフォン
 ポトフのスープがブイヨン
   ソースや煮込みに使われてそのまま表に出ないのがフォン
 甘みが少なく素材の味の邪魔をする心配がないので野菜の下拵えに使えるのがブイヨン
   煮込みに使うと素材をフォン味に染めるのがフォン
 野菜の旨味が強いのがブイヨン
  野菜の旨味もタンパク質の旨味も強いのがフォン

です(^。^)
ポロネギはブイヨンではポピュラーな食材ですが、甘くなりやすいので扱いが難しく わたしは使いません。
ブイヨン・ド・ヴォライユとは、鶏のブイヨンという意味です。
まわりくどい料理本よりは分かり易いとは思いますがいかがでしょうか?
もっと言うと 旨味が豊かに広がるのがブイヨン 旨味全開なのがフォン
旨味が殴りかかってくるのがデミグラスソースです(^。^)


では続き。

☆フォン・ド・ブフ☆
----材料----3ℓ分

ブイヨン・ド・ヴォライユ----3ℓ
水----適量(3ℓ~)
ブイヨンの出涸らし----全て
牛スジ肉----1kg
牛スネ肉(または牛テール)----300g
タマネギ(大)----2個
ニンジン----1本
セロリ----1本
ホールトマト缶----1個
リンゴ----1/2個
ローリエ----2枚
粒コショウ----20~30粒
赤ワイン----500cc
砂糖----大さじ1/2杯
--------


基本的にはブイヨンを茶色くしていく作業です。
茶色になる要素は
 ①メイラード反応によって出来たメラノイジン---糖質とタンパク質・アミノ酸が反応して茶色くなる
 ②キャラメル化---野菜類の糖分が加熱によって茶色くなる
の2つが主です。
決して焦げではないものが主要因で、焦げの味と匂いはフォンの敵なのでご注意ください。

1)下ごしらえ
①鍋にブイヨン3ℓと水3ℓを入れ、弱火にかけます。このまま↓の工程をこなしながら10時間、火にかけっぱなしです。
②出涸らしの鶏の骨と牛スジ肉800gをオーブンかグリルで 低温でじっくり20分ほど焼き、①の鍋(以下ブイヨンの鍋)に入れて炊きます。
 ※焦がさず、焼き色をつけて下さい。焦げたものは捨ててください。


③にんじんとセロリはブツ切りにします。
④牛スジ100gと牛スネ肉を炒め、脂が出てきたらセロリとニンジンも一緒に炒めて焼き色をつけ
ブイヨンの鍋に入れます。
 ※炒めたフライパンや肉を焼いた天板の底に付いているのは、焦げでは無くメラノイジンという成分です。
色も味も香りも良いので必ずこそげ落としてブイヨンの鍋に入れて下さい。
このメラノイジンが、フォンを作る上で重要な素材です。
メラノイジンか ただの焦げか は匂いで判断して下さい(焦げの場合は誰にでも分かるコゲくささです。)


⑤残りの牛スジ100gを炒め、脂が出てきたら出涸らしの野菜も一緒に炒めて水分を飛ばし
焼色が付いたらブイヨンの鍋に入れます。


⑥ブイヨンの鍋に缶のホールトマトを半量と赤ワインを入れ、灰汁と脂を取りながら3時間炊きます。
 ※こちらも最初の1時間は勢いよく灰汁と脂が出ますが、その後はたまに(30分~1時間に1度)鍋を覗きに行くくらいで大丈夫です。

2)着色・抽出作業
①3時間炊いたブイヨンの鍋にローリエと粒コショウを入れます。


②タマネギを薄くスライスし、強火でよくかき混ぜながら炒めて飴色タマネギを作ります。
 ※タマネギがフライパンの底にくっついてきたら、炊いているブイヨンを少量入れて混ぜると取れますし全体に均等に色が入ります。
時短で飴色タマネギを作る方法
↑のリンクをご参照下さい。
③タマネギが1/4の量になったらブイヨンの鍋に入れます。


④残った缶のホールトマト半量を焦がさないように炒めてトマトペーストを作り、ブイヨンの鍋に入れます。
 ※トマトペーストはブイヨンで溶いてから入れましょう。ブイヨンという響きがゲシュタルト崩壊してきました。


⑤摩り下ろしたリンゴと砂糖を炒めてキャラメル色になったらブイヨンの鍋に入れます。


⑥ブイヨンの鍋に挿し湯をして全体量(肉・野菜込み)を8リットルにし、更に6時間ほどかけて半量に煮詰めます。
⑦1)の①からカウントして合計10時間炊いたらシノワで濾して冷まし
表面に固まった脂を除けばフォンの完成です。


長時間牛スジからゼラチンが抽出されるので、冷めたフォンは煮こごりのように固まります。
フォン・ド・ブフの「ブフ」とは成牛という意味です。英語で言うところの「Beef」ですね。
よく聞くフォン・ド・ボーの「ボー」は仔牛です。
味がボヤけがちなシチューには、パンチの有るブフの方が合いますし
ほとんどのレストランがフォン・ド・ブフを使っています。

これで2日目が終了です(^。^)
3日目の調理は3時間程度で終わりますので長期戦はもう有りません♪
では、ラスト↓

☆ビーフシチュー☆
----材料----10人分

【デミグラスソース】
 フォン・ド・ブフ----2.5ℓ
 バター----30g
 小麦粉----20g
 マッシュルーム----10個
 舞茸----1株
 乾燥ポルチーニ茸----30g
 マデラ酒----100~150cc
 塩----適量(大さじ1/2~大さじ1と1/2杯)
 こしょう----適量

【牛肉の赤ワイン煮】
 フォン・ド・ブフ----500cc
 牛スネ肉----1.5kg
 赤ワイン----200cc
 塩----少々
 こしょう----少々

【付け合せ】
 ブイヨン・ド・ヴォライユ----500cc
 ニンジン(小)----5本
 ジャガイモ(大)----4個
 ブロッコリー----1株
--------

1)牛肉の赤ワイン煮
①牛スネ肉は一切れ70g~80gくらいに切って両面に薄く塩コショウをし、フライパンで焼いて表面に焼き色をつけます。
②鍋にフォンとワインを入れ、焼いた肉を入れて2時間半煮込んで火を止め
荒熱が取れれば完成です。
 


2)デミグラスソース作り
①鍋にフォンを2.5ℓ入れて弱火にかけます。
②乾燥ポルチーニをぬるま湯大さじ3(分量外)に浸して戻します。
③フライパンにバター20gと小麦粉20gを入れて弱火にかけ、10分ほど炒めてブラウンルーを作ります。
④ブラウンルーにフォンを少しずつ入れてよく攪拌します。
⑤ルーが有る程度ゆるくなったらフォンの鍋に移し、よく攪拌します。

⑥マッシルームと舞茸はスライスし、ポルチーニは粗みじん切りにします。
⑦フライパンにバター10gを溶かし、キノコ類をしんなりするまで炒めてフォンの鍋に入れます。
 ※このときポルチーニの戻し汁も茶漉しで濾してフォンの鍋に入れて下さい。

⑧フォンの鍋を、2/3くらいになるまで弱火で煮詰めます。
⑨マデラ酒を煮切ってアルコールを飛ばし、⑧の鍋に入れて一煮立ちしたら火を止めます。
 ※マデラ酒が入るとデミグラスソースっぽさが一気に増しますが、甘いので入れすぎに注意です。
⑩塩とコショウで味を調えれば、デミグラスソースの完成です。
↓の写真左は煮詰める前、右は完成して冷えて固まったデミグラスソースです。
 ※塩は入れすぎると台無しです。一つまみずつ入れて味見をするくらい慎重にしましょう。


3)仕上げ
①野菜類は全て一口大に切り、1品目ずつブイヨンで煮て火を通します。
②フライパンで牛肉のワイン煮の表面をサッと焼き、デミグラスソースをかけて1分ほど中火で煮ます。
③皿に付け合せの野菜と②を盛って、完成です。

完成したモノがこちら↓


肉アップ↓



フォークで持ち上げたら切れちゃう!を表現したかったのに大事な部分にピントが合わなかったのがコチラですwwww↓



味は、当たり前ですが缶詰や固形ルーとは全然違います。
これより美味しいレストランを探すのはちょっと難しいってくらいの出来でした。
デミと肉を一緒に煮込むと、デミが重くなってしまい主役の肉を邪魔するので別で仕上げました。
3日かけた甲斐があったかは分からないですが、すごく美味しかったです♪
ちなみにスネ肉は和牛のモノでしたので、総原価は13,000円(主に肉)くらいでしたwwwwww

わたしは仕事の都合上 連休が年2回のみなので、今回はブログも有るし思い切って作ってみました。
本格的にシチューを作ったのは生涯で2回目でしたが、初めて作った時はネットと料理本で一生懸命いろいろと調べていたのを思い出します。
今回は、挑戦しやすさは無いと思いますが初めての方にも分かりやすいように書いたつもりです。
時間はかかりますが、煮込んでる間は基本的に放置なので手間はさほどかかりません。
この記事を読んで挑戦する人が現れることはなかなか無いとは思います・・・でも、有ったらきっと他のサイトより分かりやすいモノになってると思いますので参考にして頂けたら嬉しいです(^。^)


来週のまんまん亭は撮影ブース修理のためお休みします。
(2日間、でかい鍋を炊きっぱなしだったので背景の画用紙が湿気で曲がりました・・・)

次回のまんまん亭は2月5日 水曜日の深夜の更新を予定しております。


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