2015/6/1 月曜日

NEWS ZERO 

ZERO CULTUREで
翔くんが取材した相手は
小説を書き続けている
加藤シゲアキくん。

アイドルがなぜ小説を書くのか?

作家・加藤シゲアキくんへの
キャスター・櫻井翔くんのインタビューでもあるけれど、

「畏まるとやりづらいので、
いつも通りな感じで話させていただきます」

というエクスキューズで始まった
キャスターもやっているジャニーズの先輩から
ものを書く後輩へのインタビューでした。


御本人によると、
特に読書が好きだったわけでもなく、
本は流行りものを読む程度。

そんな加藤くんが小説を書き始めたきっかけ。

加藤「当時いろいろメンバー内も揉めてたとき、
自分が何か武器みたいなものがほしいっていうのもあったし、
歌も僕よりうまい人いるし、
ダンスもうまい人いるし、
お芝居もうまい人いるし、
おしゃべりももっとうまいやつがいるし、
自分の存在価値にすごく悩んでいて、
『自分ができること、何かありますかね』
みたいなことを事務所の人と話していて、
自分にできることが本当に小説しかなかったし、
小説を書きたいと言ってんだったら、
来月末までに書いてこい、って言われたんです」

翔「すごい会社だね」

加藤「これができなかったら、
おれ、一生なにもできないな、と思って書いたんです」

翔「もし、グループがうまくいっていたら、
小説家になりたいと思わなかったかもしれない?」

加藤「思ってなかったと思いますね」

小説家・加藤シゲアキくんが誕生した意外と言えば意外なきっかけ。
いつかなにか書きたい、
という想いの発露ではなく、
自分にできることが小説だと思った、
というのは、新鮮な言葉でした。
けれど、
そこで、できることが、“小説”となって、
かつ、
書けてしまった、ということは
加藤くんは“書く人”だったのだろうな、と思います。

翔くんに問われて語ってくれた
“書いている”ときの物語が勝手に動き出す様とか、
性描写も書くことへの考え方とか、
“書く人・加藤シゲアキ”くんを感じるに十分でした。

インタビュー冒頭部の
「最近はゴーストライターがいるっていうのは(言われるのは)
褒め言葉だなっって思って」
という言葉と共に
とても印象的だったのは、次の件(くだり)

加藤「僕は賞をもらってないんですよ。
書き下ろしで、芸能人だから出してるだけで、
ふつうは、
新人賞を取って小説家になるんですよね。
その段取りを踏んでいないので、
別に賞がほしいっていう意味ではなく、
賞が取れるくらいの作家にならないと、
自分はまだ半人前だな、と思ってしまう」

翔「本を出版できてるってことの
整合性がとれない?」

加藤「とれないんですよね。
やっぱり“ジャニーズだから”っていうものを
僕は超えられてない、っていうことになってしまので、
ちゃんと作品として、世に出ても恥ずかしくないものを作るってことが
やっぱり、最初の目標なのかなって思ってます」


加藤くんもまた“ジャニーズである”っていうことに自覚的であり、
そのことに対して語る言葉を持つ人なんだなあ。

多分に語弊がある言い方になりますが、
私は
“ジャニーズである”ということは
多くを与えられると同時に
その呪縛もあると思っていて、
それは、
たとえば、
歌でも、芝居でも、バラエティーでも、情報・報道番組でも、
ジャニーズであることの光と陰はいつも存在しているんだと思っています。

加藤くんが言うように、
少なくとも最初の1冊は
ジャニーズだから本を出せた、
という側面はあるわけで、
加藤くんはそれをわかっていて、
その呪縛とも戦い続けているんだなあ、と思いました。

そして、
スタジオで翔くんが語った加藤くんへの言葉は
とてもあたたかく、
同じ事務所の先輩としての優しい眼差しを感じました。


熱心なジャニーズファンじゃないくせに、
こんなことをまた書きますが、
ジャニーズ事務所において
SMAPが切り拓いた地平があって、
そこに
翔くんが黒船として乗り込んで
新たな歴史のページを開いたんじゃないか、
という勝手な見方をしていますが、
“書く人”が存在する今、
黒船が変えた歴史は、意外な方向にも実を結び始めてるなあ、と思いました。

国文科卒、国語の教師の免許も持つ元文学少女として、
“書く”ということ、
〝書く人〟への思い入れがあるので、
今回のインタビューは深く胸に残りました。

加藤くんの新作も買わなきゃ。
(まだ読んでなくてすみません354354

山の上ホテルという
作家さんと非常に親和性が高い場所でのインタビュー、
っていうのも、
ZEROさま、やるなぁ、って感じです。