近頃の若者はなぜだめなのか…。
- 日経MJの読書紹介で知りました。
- 私も一応若者なので、「若者も若者らしく頑張ってるよ~!!」とタイトルを観たときに反発した面あり、「今の大人に私たちはどんな感じで映っているのかな~」と興味もあり、読んでみました
もう一つの目的として、私がよくみんなから「今どきっぽくない」とか、「すこし変わっている」と言われるので、果たして私は今どきの子とどれくらいかけ離れているのかというものを知るというのもあります。
近頃の若者はなぜダメなのか 携帯世代と「新村社会」 (光文社新書)/原田曜平
- ¥861
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この本は、著者が7年かけて47都道府県ををまわり、10代半ば~20代後半の若者1000人に会ってじっくり話を聞いて書きあげたものです。日本全国の若者にインタビューしただけあって、よりリアルな若者像を感じることができます。
この本での主役である「若者」は、中・高生でケータイを持つようになった日本初の世代です。中学・高校と人間形成をしていく重要な時期を、ケータイという新たなコミュニケーションツールと歩むことによって、生活と人間関係が劇的に変化した!!と述べています。
私も中学・高校とケータイある中で育ちました。
ケータイを持っていることが「当たり前」の中で育ったので、今「ケータイ」がなくなったら、結構困ると思います。個人的に行った「PC・ケータイを2日間使わない生活できるか実験」でも、ケータイは欠かすことのできない重要ツールであることがわかりました。
この本では、その“ケータイ電話”というキーワードを軸に、よりリアルな若者の姿を描いています
ケータイが生まれたことにより、コミュニケーションを簡単にとることができるようになりました。これは、待ち合わせ時間の調整など便利なことが満載ですが、逆につながりすぎることの恐怖もあるようです
私世代はケータイを便利な生活ツールとして使用しているので、メールのやり取りもそこまで頻繁ではありません。メールの返信が遅くなってしまったら、「ごめんね…」と一言添えるだけで大丈夫な感じです。
しかし!今の高校生には「メールが来たら即返信」という暗黙のルールがあるようで。友達の存在が大きく、一人でいることに寂しさを感じる年ごろだからこその現象なのかもしれません。とある女子高生が「ケータイはポケットにむき出しの刃物を入れている気分」という発言をするほどです
ケータイがあることで「だれかとつながっている安心感」はあるものの、それとは逆に相当大きなプレッシャーを抱えていて、だからこそ、常にケータイを肌身離さず持っている!ということがわかりました。
また、「コミュニケーション」が「美容」等と並んで関心ごとになった今、若者のコミュニケーション能力(相手の言おうとしていることを理解し、自分の考えを伝える力)は高くなってきている。と著者は述べています。
ケータイでの連絡で友達と話す機会が減ったのに、なぜコミュニケーション能力アップ?と疑問に思っている方も多いかもしれませんが、このケータイが作り出した社会により、「嫌われないように!」という気持ちが生じ、人の意見に同調したり、その場その場に応じたキャラを演じたり、「空気を読む」という日本人日本人した人間形成ができたようです。何通りもの自分を演じ分ける力があるからこそ、よく未成年で犯罪を犯してしまう子たちの知人インタビューで「本当はすごく優しい子…」「真面目な生徒…」というインタビューを聞くのでしょうか。。
このようなケータイネットワークが生み出した社会を著者は、「新村社会」と名づけています
「新村社会」にはいくつもの掟があります。例えば、“正しいことより空気に従う”、“だよね会話をしなくてはならない”など。“だよね会話”というのは、高校生の会話で、「●●じゃない!?」「そうだよねー」「そうそう!!」みたいなことを指します。相手を傷つけることなく、お互い「だよね」と共感し合うのだそうです
とまぁ、他にもたーくさん、「なるほど~!!」というものがありました。例えば、『海外旅行へ行く若者が減少しているのは、インターネットの発達により、どこの国の情報でも自宅にいながら得ることができるから、行った気分になれる』等。一部は「そうなんだよね~」と共感する部分もあり、私も立派なケータイ世代さんでした
この本の最後十数ページには、とある男子大学生の1週間の送受信メールが載っています。絵文字をたくさん使ったり(冷たいメールにならないための工夫)、一言でもメールを返信していたり、楽しそうに見える本分の中にも、何か心に悩みを抱えているかも…と考えると、なんだかメールも大変だーと思います
「今の若者はダメだ!!」みたいな感じになっていますが、若者も若者なりにつながりすぎた広がりすぎたネットワークに悩んでいるんです!!地球上に人が複数いる以上、「コミュニケーションをとる!!」ということは、人間の永遠の課題なのかもな~と思ったりもしました