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手探りの毎日

9歳の長男Gと6歳の次男Kの2児の母、モコモコモコが
子育てとは…、仕事とは…、夫婦とは…、女とは…、
について、回想する、(自称)エッセーです。

昨日のことです。

私が仕事から帰宅したとき、次男のKは塾に行っていて、
部活がお休みだった長男のGが家にいました。

急いで夕飯の支度にとりかかっていると
Gが話しかけてきました。

「今日ね、イオンに行ったんだ」

「また?何しに?」

「いや、文房具を買いにだよ」

Gはとにかく文房具オタク。
最寄りのイオンまでは自転車で20分ほどかかるのですが、
文房具が安く売っているらしく、Gはかなり通っています。

「でね、ミスドでドーナツ食べたんだよ」

彼の性格上、ひとりでドーナツを店内で食べることはありえません。

「え?誰かと行ったの?」

「うん、Kだよ」

シャーペン「デルガード」の改良版が発売されたのを知ったGは、
イオンに行きたくて、Kを誘いました。
塾に行く用意をしてKはついていきました。
イオンに着くと新デルガードは売っていたけど、青と白の2色しかなく、GもKも青が希望でした。
何でだか知りませんが、GとKは「同じものを持たない」という不文律があり、
2人で青のデルガードを買う、という選択肢はなかったのです。

「そしたらね、Kが青を譲ってくれたんだよ」

えーっ!
いつも兄弟間でお互いに主張しあって、全然譲り合わないために
たびたびケンカに発展する毎日からすると、考えられないことでした。

「だからお礼にポンデリングを買って、Kと半分こして食べたの」

なんと!
慎ましいというか、いじらしいというか、ケチというか。

ミスドの人は、たった1個しかドーナツを買わない兄弟が、
お店の中で分け合って食べている様子を見て、どう思ったのでしょう…。

Gもその夜は塾に行き、入れ違いにKが帰ってきました。
帰ってくるなり、私のもとにきて、

「おかあ、今日ね、Gちゃんがね、ドーナツ買ってくれたんだよ!」

何だか、超うれしそうではありませんか。
そしてKもまったく同じいきさつを私に話して、満ち足りた顔をしていました。
4年生の次男K。
彼の将来の夢は、八百屋さんからはじまって、お笑い芸人、社長と
変遷を重ねてきました。
でも、現在は模索中だそうです。

お風呂に一緒に入ったときのことです。
最近、4年生でも付き合ったりするケースがでているとの話題でした。

「K君はね、小学生では女の子と付き合ったりしなくていいんだ」

どういうこと?と尋ねると

「小学生で付き合ったとしても、その子と結婚することはないでしょう?」

「えっ?それでもいいんじゃない?」

「だって、ということは振られたりするわけじゃない?
 そうしたら今度は振られるのが怖くなって女の子と付き合えないと思うの」

「じゃ、K君は、最初に付き合う女の子と結婚するってこと?」

「そうそう、付き合うのは結婚する女の子だけでいいんだー。
 お金もね、暮らせるだけあればそれでいい。お金持ちにならなくていい。
 K君は夕方には仕事から帰ってきて、家で子供となかよく笑えたらいいんだ」

そうしてKは続けました。

「今のK君ちみたいに、そんなに贅沢はできないけど、子供に習いごとできて
 ごはんが食べれて、家族で仲良くできるのがいいんだー」

「男の子のくせに小さくまとまってないで、 大志をいだかんかぁ!!」

と突っ込みをいれました。

でも実は、Kの発言を聞いてうれしかったです。
Kは今、本当に幸せなんだなぁと。
その幸せが、彼の人生ずっと続きますようにと、
Kの背中をごしごしと洗いながら願掛けをしました。
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次男K(現在4年生)はお金が大好き。

お客さんがいっぱいのお店をみれば
「さぞかし儲かってるだろうね!」
と言い、近所の駄菓子屋さんで友達がスピードくじ10円で50円分の商品券が当たったら
「1000円のスピードくじが全部当たれば4000円も儲かるじゃん!」
と言い、
「自分が書いた本が売れると、どれぐらい儲かるか?」
と質問を受けたりと、儲かる・儲からないが、彼の最も大きな関心事になっています。

さて、平日の夕方、長男Gと私とKでご飯を食べていました。

「おかあ、K君ね、大きくなったらホテルで働く!」

とK。

「コックさんになるってこと?(ドラマ「天皇の料理番」に影響されたか?)」

「ううん、ホテルの受付の人。ホテルのお客さんってお金持ちでしょ?
 だから、ホテルで働けば儲かるでしょ?」

「いやいや、K君、ホテルで働いてもそんなにお給料高くはないよ」

「じゃ、学校の先生は?」

「うーん、学校の先生のお給料は安定しているけど、とびきり高くはないよ。
 ただ、大学教授とか有名な先生になれば、講演1回で何十万とかもらえるけどね」

「じゃ、社長!」

「社長は上手くいけば儲かるね。ただ、景気が悪くなったり
 経営がいきづまったりしたら、銀行に頭を下げて社員のお給料を借りたりするんだよ」

といろんな職業をKが挙げては、私やGがダメだしをしていました。

「分かった!大根を買う人になる!」

これには私もGもちんぷんかんぷん。Gが

「大根なんか、おかあでも買ってるじゃん」

というと、たたみかけるようにKが

「まるちゃん(私の母でGKの祖母)みたいに、大根買って儲ける!」

私にはまだ意味不明だったのですが、
Gにはピンと来ました。

「Kくん、それは大根じゃなくて、かぶ、だよ。
 しかも野菜のかぶじゃないよ」

チーン…。

GWに帰省したときに、母が株で儲かったからと、
私たちに特別にお小遣いをくれたのでした。

「ずっと前に、すすめられて仕方なく買った株が
 ようやく値上がりしたけん、こないだ売ったんよ」

これをKは蕪(かぶ)だと思って聞いていたのですね。

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故郷の海にて