この用語は国語辞典に収録されていないのかもしれない。

大川周明「獄中」日記の昭和12年9月3日の項に

 ダンヴァース上下、ホワイトウェー、スティーブン、ペシェル、マルヴォを宅下げ。プレスコットの『フェルディナンド及びイサベラ』『フィリップ二世』を受け取る。

とあった。

その「宅下げ」とは何のことだろう。

ネットの国語辞典ではヒットしなかったが、

 逮捕・勾留されている容疑者から、接見に来た者に対して物品を渡すこと

だということが分かった (→ デイライト法律事務所 [宅下げはどのようなものであれば可能ですか?])。

つまり、「差し入れ」の反対。


大川周明は獄中ですさまじく読書をしている。資料を読み込む作業をしているのだから、書斎にいるのと変わらない。

ただし、当時の監獄に冷房はなかったろうから、暑さには相当に参ったようだけれど。

* 想像するに、「こんな暑さは 願い下げ だ」と思っていたかも。