結局昨年はちょろっとインプレしただけで終わりました・・・。

いよいよもってリアルライフに暇がないような気もしますが、
できる範囲で界隈を見つめ続けたいと思います。

今年もよろしくお願いします!
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kioku [reminiscence] / atmbzk

テーマ:
代打三兄弟関係の作品のトリとしても、
BOFのエンディング曲としても、1年の〆のBMSとしてもふさわしい作品です。

楽曲にも譜面にも、余計なものを削ぎ落とした過不足のないシンプルさがあり、
シチュエーションに応じてプレイヤーに解釈の余地を残しているところが奥深いです。
特に、逆再生を効果的に活用して過去を惜しむムードを出しつつも、
曲調やリズム自体は一貫して力強く前向きであるところが素晴らしいですね。

このように、楽曲そのものも十分に良作だと思うのですが、
この作品は今までの文脈があって初めて完成しますね。
その意味で言うと、BMSならではの名作、と言えるのかもしれません。

ただし、しんみりとしたエンディング気分を
鬼のような譜面のアレンジでぶち壊してくれたルゼさんは絶対に許しません。

kioku [reminiscence]
by atmbzk
TechDance
from THE BMS OF FIGHTERS 2013(代打三兄弟(守))
1000 pts.
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MANO CORNUTO / DOT96

テーマ:
今年のDOT96さんも最高にクールでした!

まず、このアングラかつキレのある、
神話の時代の音ゲーを思わせる楽曲の純粋な格好よさに一発でノックアウトです。
特に、ベースが作り出すハードボイルドなグルーヴには、
つい苦み走った顔で縦ノリして応えたくなります。
危険な香りのするダーティーな昔気質のBGAもぴったりマッチしてますね。

しかし、何といってもこの作品が素晴らしいのは、
シンプルながらゲーム性の高い2つの譜面でしょう。
5鍵については、7鍵と比べれば難易度が控えめとはいえ、
血も涙もない連続LNや餡蜜安定の似非デニム地帯でしっかりキャラ立ちしてますし、
7鍵については、ヘッドホンを外して打鍵音をとらえながらのプレイの方がうまくいく
目押しではないノリ重視のゲーム性が、うまく叩けなくても楽しいです。

たとえ圧倒されるにしても、初心者の方にも一度は体感してほしい作品です。

MANO CORNUTO
by DOT96
ROCKIN' DNB
from THE BMS OF FIGHTERS 2013(日本ドラムンベース協会)
1000 pts.
今年のBOFにも珠玉のガチテクノが来ましたね!
心に突き刺さり、本能に訴えかける重厚なトライバルサウンドが圧倒的。
テクノの肝であるリズムも素晴らしく変態的かつ魅力的で、
ラストに至っては密度は薄いのに少し気を抜くとガリガリゲージを削られて惚れます。
目押しで食らいつくうちに、後からリズムが体にしみこんでくる不思議な感覚です。

この作品、やけに私の好みすぎる、おかしいと思ったらミキハラさんの作品なんですね。
仮装BMS舞踏会(2004年)でも、戦國 ~夏の陣~(2007年)でも、
イベントで一番好きだったのがミキハラさんの作品だったので、とても納得しました。

EXP1.38 (native tone mix)
by 淫乱シーケンサー
TECHNO
from THE BMS OF FIGHTERS 2013(ディ茎)
1000 pts.

GAGAJAZQUE / 葵

テーマ:
BOFのような大イベントとなると、この作品のような
すさまじい作り込みの名作が普通に隠れているから恐ろしいですね。

和楽器とジャズ、という趣向で思い出すのは、
何と言ってもポップンミュージックの明鏡止水ですが、
あちらがスウィングの疾走感をウリにしているとしたら、
こちらはジャズの別の魅力としての艶めかしさをムンムンと放って
プレイヤーを虜にしてきます。本当このベースの色っぽさ、何でしょうね。

BMSとしての完成度も半端なく、随所に施されているジャズ特有の仕掛けが、
音ゲーとしての楽しさに通底するものであるところも素敵です。
この細やかな作品で、すべての音が切られているというところにも驚愕ですね。
これならファイルの総量が激重でも仕方ないですね。譜面作家さんがんばってください。

作者の葵さんは、この作品以外にも異なるジャンルを融合させた作品や、
BMSではあまりなじみのないジャンルの作品に意欲的に取り組んでいらっしゃり、
その貪欲な姿勢からは、来年さらに実力をアップさせたお姿しか想像できません。

GAGAJAZQUE
by 葵
越天楽今様
from THE BMS OF FIGHTERS 2013(Histoire Tonalite)
1000 pts.

事象の地平 / wa.

テーマ:
いくらLRが重さのせいで落ちようとも、曲名検索からのプレイがなぜかできなくても、
この作品が今年のBOFで最も好きな作品であるという事実は変わりません。

端正なコーラスと流麗なピアノアルペジオが形作る前半の世界観は、
幽玄と呼んでも過言ではない味わい深いものですが、
その世界観と休みなく降り続けるノーツが不気味に調和していてまず鳥肌。

その雰囲気をためらいもなく崩すブレイクでの強烈なピアノの一撃にも鳥肌。

そして終盤のシンセが奏でる、
半音階が孕む危うさが諸行無常の悟りの域に達している神秘的な旋律にも鳥肌。

BGAの不在、というのは十分に減点要素となり得ますが、
この作品の場合そのことによって画面の右側に開かれる暗闇が
終末的な楽曲との相乗効果で意味を持って迫ってくるような気がして侮れません。

Normal譜面はもう少し密度があってもよいように思いますが、
譜面のレベルも全体として高いです。

直球の泣きメロ職人としてのwa.さんが、
もはや遠い過去になってしまったことに一抹の寂しさはありますが、
今はこの極限的な表現に至ったwa.さんの想像力の雄飛に乾杯するしかないでしょう。

事象の地平
by wa.
OMNIVERSE
from THE BMS OF FIGHTERS 2013(Chronica)
990 pts.

Mercury Prayer / anubasu-anubasu

テーマ:
今年のBOFでクオリティの安心感がピカイチだったと思うのが、この作品です。
メインのメロディの突き抜けた爽快感と一抹の哀愁は、
的確なLN配置も含めて何度もプレイしたくなりますし、
序盤のベースシンセが盛り立てるドライブ感もとても効果的です。
BGAは幾何学模様中心で汎用性の高いものになっていますが、
美麗さによって曲を盛り立てる機能は十分果たしているのでこれはこれで。

インプレでも指摘されていますが、
ブレイク明けのシンセリフで盛り上がりきれなかったのは、やはり気になるところ。
全体の構成の満足感は高いのですが、突き抜けきれなかったと感じるのは
そこの不完全燃焼さのせいかも。評価ではそのあたりを表してみました。

それにしても、anubasu-anubasuさんについては浦島太郎の私としては
ほぼノーマークだったのですが、どの作品も素晴らしい完成度でしたね。
BMS界の新陳代謝は変わらず順調であると実感させていただきました。

Mercury Prayer
by anubasu-anubasu
UK HARDCORE
from THE BMS OF FIGHTERS 2013(Come To An End)
990 pts.

YATA / kireji

テーマ:
和洋折衷で、かつ何となく不穏な空気は、大正浪漫、
あるいは昭和初期の怪しげな躁状態というイメージが連想されますね。
言い知れぬ不安が常に付きまとう中、
それを振り払おうととにかく必死に明るさを装って走り続けるような。
そんな光景を一歩退いて眺めてみると、
不謹慎ながら滑稽ですらあるような、倒錯的な面白さがある。
この作品の面白さの一面は、そういうところに根源があるような気がします。

音色のバリエーションとしては基本ピアノ押しなので少ないのですが、
アドリブ的な展開の多彩さで、飽きにくく、
叩き的にもおいしい仕上がりにしているところがさすがの手腕ですね。
また、序盤~中盤をピアノ押しにしているからこそ、
終盤のトランペットによる怒涛のコーダのインパクトが増しているのだと思います。

ともあれ、頭を空っぽにしても斜に構えても楽しめる奇特な作品ではないでしょうか。

YATA
by kireji
和洋折衷盥回
from THE BMS OF FIGHTERS 2013(Artifact Colors)
980 pts.

Disorder X / MSI(mov:zue-row)

テーマ:
刹那的な衝動と、即興の一回性を作品にたっぷり込めながら、
全体としてはクレバーで緻密な計算のもとで綺麗にまとめています。
そのため、プレイするごとに新鮮な興奮と安定した満足感を
プレイヤーに与えてくれるという、素晴らしいエンターテインメントに仕上がっています。
このように老練さと若々しさを同時に備えている点がプログレの特徴の1つだと思うので、
その意味で非常にプログレらしい作品だと思います。

プログレの醍醐味である疾走感についても、この作品では全面的にフォローされています。
楽曲においては躍動感溢れるベースが常に存在感を放っていますし、
BGAにおいても印象的なモチーフがスピーディに入れ替わって飽きさせません。

ただ、私が特に強調したいのは、譜面の面白さです。
音階のルールや目立つ音色を叩かせるセオリーよりも、
楽曲のパートごとのイメージを大切にすることで、
印象的かつメリハリのある譜面を生み出せていると感じます。
疾走パートではトリルを中心に刻ませる細かい譜面、
聴き物パートではLNを中心としたゆったりした譜面、というような具合ですね。

音ゲー界でもすっかり主流となりつつも、
BMSではいまいち供給が少なかったプログレですが、
さすがの大イベント、また1つスタンダードが生まれましたね。

Disorder X
by MSI(mov:zue-row)
Prog
from THE BMS OF FIGHTERS 2013(元無名BMS作家が物申す!)
980 pts.