Letterbox〜 映画を観るたびに 3/5 | Photo Letterbox

Letterbox〜 映画を観るたびに 3/5

まだ小学校に通っていた時の話です

四年生だった僕は、好きだった

映画と絵を描くことに無我夢中でした

授業が終れば少ない時間を使って

描いていました そんな僕を周りの

同級生は楽しみにしてくれた

幼稚園から続けた絵を描くこと

知らない間に人が集まる風景が

ごく普通の出来事だった

ガンダム、ドラゴンボール…

キン肉マン、それから人物画に

風景画何でも毎日描いていました

そんな毎日を過ごしていた僕に

得意とする図工の時間がやって

きました

学校の前に広い公園があって、そこ

にある一本の木を描く授業

好きなことを勉強できる事にうれしく

て、はりきっていました

その日は絵を描き終え、次の日に

色を塗ることになった

時間が経つのは早く、えのぐの

授業が始まった 僕は観たままの

木じゃつまらない僕なりの色を

塗りたい そう思って、赤、青、黄色

緑…色々な色を使って表現しようと

決めていた もう普通の絵は

描き飽きていたからだ

この日は夏…緑が基本だった

そんな塗り始めていた僕の絵に

忘れる事のできないあの日が

始まった

担任だった先生が用紙を勢いよく

掴み上げ、何をやってるの!と

大きな声を出した

そのまま先生は

廊下にある水道場で描いた絵を

水道で洗い流しました

何が始まったのか呆然と絵だけを

観て立っていたのを覚えています

photo:01


それから僕は好きな事を嫌いに

なった

人と話すことさえなくなりました


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