紅白を見ながらブログを書いていますが、今年は落ち着かない年末ですね。というのもマイケルがスキーであんな怪我をしてしまいまして、・・・・。

 報道されている情報から僕なりの分析をちょっと加えてみますね。
 マイケルは岩に頭部の右側をぶつけて、ヘルメットが割れて頭蓋骨骨折(おそらく右の側頭骨骨折)を受傷し、その際に中硬膜動脈損傷が生じたと思います。そして外傷性の硬膜外血腫が生じました。この硬膜外血腫というのはたまった血腫(頭蓋骨の中にたまった血)が大きくなるまで意識障害や麻痺を生じないので受傷直後に意識があったことと一致します。そして、右側の開頭を行い血腫除去を受けています。外傷を受けた脳は腫れるので、頭蓋骨は外したままにしておいて頭蓋内圧(脳の中の圧力)が高くならないようにするとともに、血液中の二酸化炭素が多いと頭蓋内圧が上がるので薬で意識を取って人工呼吸器で過換気にさせて頭蓋内圧が下がるようにします。そして意識があると痛みなどの刺激で血圧が上がってそれも頭蓋内圧が上がるので鎮静は必要です。人工的な昏睡といっているのはこれのことですね。さらにマンニトールやグリセオールと言った頭蓋内圧を下げる薬を使い、脳の組織を少しでも障害から守るために体温を意図的に下げる低体温療法も行われているみたいですね。

 大きな力が加わった頭部外傷の場合にはぶつけた側と反対側に脳の障害が出ることがあります。contrecoup injuryと言って間接的に脳が揺さぶられることにより生じます。両側に病巣があると書かれているのでこれが生じているものと思います。2回目の手術というのは左側の開頭もしくはドレナージ(圧力を逃がす処置)が行われたものと思います。

 昨日に比べて改善が認められると医師団が会見で述べているので、おそらく聴性脳幹反応(ABR)などの検査を行って少しでも反応が認められるのでしょうね。まだあきらめるのは早いですが病状は深刻なの
でしょうね。


 2004年日本GPでのマイケルです。彼のキャリアとして最後のチャンピオンになった年ですね。




 2006年日本GPでのマイケルです。まさかあそこでリタイアするとは思いませんでしたね。



 今年もブログを見ていただきありがとうございました。来年もよろしくお願いします。