僕がフェラーリファンになるきっかけとなったマシンの一つです640ことF189です。

 当時最高のデザイナーと言われていたジョン・バーナードがフェラーリに加入(といってもマラネロ暮しをしたわけではなく、イギリスのギルフォードと言うところにテクニカルオフィスを作らせてそこでデザインしていました。)して、彼自身のデザインで初めて実戦を走ったマシンです。

 エンジンのインダクションポッドの形状で前期型と後期型に分けられますが、今回登場させるのは、前期型です。フェラーリ移籍初戦を見事優勝で飾ったマンセル車です。この前期型はブラジル、サンマリノ、モナコで姿を後期型に変えるので、この勝利が唯一になります。



 カウルのサイドにインダクションポッドがあります。空力的には有利だったようですが、エンジンに十分な空気を取り込めず、ラム圧も上がらなかったので背の高いインダクションポッドの後期型に移行します。これで30馬力ほどパワーアップしたと言われています。



 今は途絶えてしまったスケドーニ製のシート。



 暗くてわかりにくいですが、セミオートマチックのパドルです。今では当たり前のパドルシフトですが、当時は革新的な技術でした。でもトラブルは多かったですね。




 それにしても美しい車ですね。



 ちなみにフェラーリに移籍初戦で勝ったドライバーって、マンセル以外には、キミ・ライコネン、フェルナンド・アロンソ、ファン・マヌエル・ファンジオ、マリオ・アンドレッティ以外にいますか?