グロテスク/桐野 夏生

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数ヶ月前に「東電OL殺人事件」の犯人とされていた、外国人が無罪になり少し注目を浴びました。
その事件をモデルにした小説。あくまでもフィクション。

まえから気にはなっていたけれど、中々、読む機会もなく、
最近は、読んでも途中で止めてしまうので、迷ったけれど、チャレンジしました。

ページを開けが、若ければ、一気に読んでしまっていただろうと言うくらい、夢中になりました。
気になっていた事件だけに・・・。

エリートOLが夜は街娼。そして、殺される・・・。
当時、これほど、世間をにぎわしたセンセーショナルな事件はなかったですね。

彼女たち(4人の女性が出てきます)の内面を赤裸々に語っていて、「グロテスク」なんで、
読んでいて何回か気持ち悪くなったけれども。

この本を読んでいて、中島みゆきの「ファイト!」を思い出した。
「闘う君の唄を闘わない奴らが笑うだろう」
この詩を聞いた時は頑張ってるのに笑われるなんて!と衝撃だったが、
この本を読んで思ったが、

必死に余裕なく努力してる人を見ると、イラっとしませんか?

この小説で殺される女性は、名門女子校に入学するが、
みんなから一目、いや同じ扱いをしてもらいたいがゆえ、
勉強も流行必死になって追いつこうと努力するけれど、
がむしゃらなんが丸見えで、返ってダサく、いじめの対象になっていく・・・。
ちょっといさめると「ワタシはがんばってるのに、なんで認めへん!」と
逆ギレされる。やってるわりには着いてこれてないのに・・・。

社会に出ても、努力すれば、頑張れば認めてもらえるはずが・・・。
今はまだましなのかもしれないけれど、男社会では・・・。

とにかく、グロい内容でしたが、読み応えがあった。
ラストがいまいちだったが、

ぜひ、読んでもらいたいです。

余談ですが、娼婦になったおねえさん。
サンデージャポンに出て来る岡本夏生と容姿がかぶる・・・。