#379 横浜リクシル・ベイスターズ? | ダイビング&バイシクル!
こないだから取り上げてたベイスターズの売却問題を今日もシツコク。



住生活グループがデューデリジェンス(Due diligence=資産査定)のフェーズに入ったようですね。


球団株の一部継続保有か TBS、17%の一部(2010.10.7付け産経新聞)




フランチャイズ横浜存続の地元世論に乗る形でノジマが買収にパーをあげましたけど、前にこのblogでも取り上げたとおり、やっぱりあきらめたみたい。


ノジマ社長明かす、「100%ない」買収“終戦宣言”…横浜(2010.10.14報知新聞)




ネットだと、ひとつのテーマでいろんな新聞記事を検索できちゃうんで、ベンリですよねー。




10/12には住生活グループの潮田会長が初めて記者会見を開きました。


横浜:ベイ売却で「本拠地制約ない」と住生活グループ潮田会長(2010.10.13神奈川新聞)



横浜ショック!監督続投も本拠地も白紙(2010.10.13サンケイスポーツ)


やはり球団買収の理由として「知名度アップ」をあげて、球団名についての質問にはこんな答え方をしちゃいました。

 「中核の事業会社、トステムが球団を保有することになると思うので、トステムで(名前を)考える。

フランチャイズと密接にかかわってくるが、まだ決まっていないので当然、流動的」







そしたら神奈川県の松沢県知事から反論が。


ベイ買収で県知事が住生活G会長の発言批判「企業宣伝の論理は一時代前の感覚」 (2010.10.14神奈川新聞)


「自分の会社の宣伝さえできればいいという論理で球団を買おうとしているのには、大きな違和感を覚える」

「一時代前のプロ野球の感覚。企業宣伝のためにプロ野球を使うやり方では、プロ野球自体が発展していかない」

「市民、県民と一緒になり地域活性化につながるチームを作りたい、だから経営したいという理念がまったく感じられない」




今回も正論ですねー。


松沢サンは正論を実現に持っていくヒトです。



じゃなきゃ県内の飲食店の禁煙化はできなかったでしょう。






そしてこの点は球団の経営にあたる企業は心にとどめておかないといけないことだと思います。






ベイスターズ買収で、もっとシンパイなコトはこのこと↓です。






来年も横浜でゲームを行うのであれば、
チーム名は横浜ベイスターズのままじゃないと。








2004年にオリックスがバファローズを吸収したとき、球団名をバファローズとしたことで多くのファンを失いました。



神戸のファンからも、それまでのバファローズファンからもメチャクチャ言われていたことを思い出します。



だいたいオリックスだってCIによる企業名浸透を目的として球団を買収したことで、かなり球団経営についての熱意を疑われてました。




それにチーム名に神戸とか入れないのか、とか。




それらをクリアするための球団の努力は並大抵のものではありませんでした。


たとえばオリックスとしては 「球団名に地域名をつけるのなら、せめて自治体にも出資してほしい」と正論を言ったのですが、それは神戸市にも兵庫県にもメディアにも注目されませんでした。




球団はジブンでメジャーリーグを見て回って、その結果、内野まで全部自然芝にすることとか、内野のネットフェンスをギリギリまで下げたりとか、フィールドシートを作ったりとかとか。




スカイマークスタジアムがとても評判が高い球場になったのは、こうした球団の努力があったからです。



でも神戸市は球場使用料を下げたりすることは決してしませんでした。



地元の自治体や新聞の支援がほとんどなかったことに嫌気が指していた結果が、バファローズを吸収する形での大阪移転だったんですね。



オリックスはバファローズが欲しかったのではなくて、大阪でゲームをやりたかったのです。




赤字でどーしよーもない大坂ドームを買収してまでです。




個人的には関西の経済力や人口だけ見ればタイガースだけで充分だと思ってましたけど。






球団経営と言う事業は、それ自体とても小さい規模(球団の社員数はだいたい50名程度です)のくせに、社会からの批判を受けるリスクはとっても大きいです。




今回のベイスターズの場合はもっとシビアです。


球団名に企業名がついていないこと、マルハ→TBSに経営が変わったときも球団名が変わらなかったとゆー実績のあるチームだからです。


ま、「TBSベイスターズ」じゃ他のメディアがパンチ!メラメラでしょーしね。



ここで対応を間違えると、住生活グループはいきなりおっきいリスクを負う形でのスタートになってしまうでしょう。



それは他球団がやっているような地域名+企業名というネーミングにしたとしてもおんなじことです。



たとえば「横浜リクシル・ベイスターズ」とか...。


そんなポーズみたいなネーミングでは企業の思惑が透けて見えてしまいますよね。


それに、たとえ企業名が浸透したから球団はもーいーやとなってもカンタンに売却はできません。



協約の上では、最低10年保有しないと、加入時の補償金10億円は帰ってきません。


それに、あっさりまた売却なんてことをすると、その企業への批判はハンパないものになります。


その意味で、企業経営を知らない松沢サンの批判はちょっとだけ的外れなんですけどね。











でも、チーム名を今のままにしたからって、問題がすべてクリアされたワケじゃないです。





それはまた続きで。