「まぁーさん!」

「まぁーさん!」


と、呼ぶ声が聞こえ目を開けました。

(意識がスッと体に戻る不思議な今までにない感覚がしました。)


目を開けると、婦人科の先生が

「あぁー、本当に大変でしたよ。疲れました。」と、私の顔を見て言いました。


マスクをとってもらいましたが、ボーっとして何だか声が出せません。

(手術どうなったの?長かったのかなぁ?…)


BGMもいつのまにか止まっており、気がつくとベルトコンベアーのような機械でベッドからベットに移動されていました。

また、ボーッとしているといつの間にかベッドごと自分の部屋にむかっていました。


途中で母親達と婦人科の先生の顔が見え、先生が一言。

(どうやら、手術の報告を両親にカンファレンス室で行っていたらしいです。)

先生:「いやぁー。もう、本当に大変だったんですよ。とりあえず、頑張りましたね。」


と言っていました。


(やっぱり、開腹手術だったのかな…?)


そんな事を思い、病室へ。

廊下の窓から外がチラリと見えたのですが、もうすでに暗くなっていました。


(3時間くらいで終わる予定だったのに、もう夜みたい…。

いったい、あれから何時間たったのだろう?)


病室に向かう途中から、すでに息苦しかったのですが、病室に戻ってからも かなり息苦しくて看護婦さんに「息苦しい…」と訴えるとすぐに酸素マスクを付けられました。


足には、血栓防止の為にエアーマッサージャーが装着されました。


その後、麻酔が少しずつ切れてきて、足の指が動かせるようになってきました。

何度か看護婦さんが来て、足の指が動かせるか。話せるか。意識がしっかりしているかなどのチェックがありましたが、

その間、何度か吐いてしまいました。

幸い、吐くものがないのでそんなに苦しくはなかったですが

看護婦さんが慌てて飛んできて、首だけ横を向かせて胸をさすってくれました。


不思議なことに この場合は、胸をさすると吐き気が落ち着いてくるのだそうです。

傍らにいた家族が必死にさすってくれるうちに、吐き気が少し落ち着いてきました。


「今、何時?」とかすれ声で聞くと、


母「今、7時すぎだよ。手術開始してから、6時間もたってて心配したよー。

 先生が頑張ってくれて、腹腔鏡で済んだって!卵巣も両方残ってるよ。」


「あぁ、そうなんだ。よかった。」と小さい声でやっと話せました。

少し、ホッとしました。


面会時間も終わり、消灯となりました。


時間が経つにつれ、麻酔が切れてきていろいろと辛くなってきました。


まずは、尿管が痛い…。

傷が痛い。(特にヘソのあたりがじんわりと)

お腹にガスがたまっているような感じで、(←手術の時の炭酸ガス)胃のあたりが張って痛い。今日は、枕が禁止なので余計にたまっている感じがぬけなくて苦しい。


不快さと痛さが我慢出来ずに痛み止めの座薬を入れてもらいました。


夜中に何度も看護婦さんが来て、体温、尿がちゃんと出ているか、傷のチェック(血のにじみ具合のチェック。)を何度もしに来てくれて看護婦さんが本当に白衣の天使に見えました。


夜中、ほとんど眠れなかったし、とても長い夜に思えました。