アイスランドには、「ギャウ」という「地球のプレートの境目」がある。
ユーラシアプレートと北アメリカプレートの生まれる場所だ。
二つのプレートは年に2~3cmづつ広がっていて、新しい大地がそこから生まれている。
そのテのプレートは、本来であれば海底の奥深い場所にあるモノなのであるが・・・、ここアイスランドでは、それが地表に乗り上げた形になっている。
その・・・プレートの引き合いにより作られた割れ目を・・・「ギャウ」というのである・・・
向かう場所は、シンクヴェトリル国立公園。
天気は・・・稀に見る快晴
ゴールデンサークル・ツアーの大型バスは満席。
そのほとんどは欧米人。
ガイドさんの説明は・・・もちろん英語(~_~;)
レイキャビクのホテルでビックアップしてもらい、バスターミナルで大型バスに乗り換え、力の無い「夕日のような朝日」を浴びながら・・・、シンクヴェトリルへと向かうジャパニーズ二人組・・・
「あぁ~~~、いよいよだね~~~。天気もサイコーだし・・・ホント・・・マジで来る気になれば・・・こんなトコまで来られるモンなんだよねぇ~~~(*^_^*)」
・・・などと言いつつ、バスはギャウのそばの駐車場に無事到着・・・。
ガイドの女性が・・・集合時間を紙に書いて指し示す。
「はい、はい、分かりました・・・、〇〇時●●分ね・・・(*^_^*)」
時間に遅れるのが大キライな私は・・・、そこだけはしっかりとチェック
そして、バスを降り・・・まずは脇にある有料トイレへと・・・
下の写真の左側に写っているのがトイレ。
人影は・・・もちろんワ・タ・ク・シ・・・Maria w
・・・200ISK。
うひゃっ・・・、一度トイレに行くのに・・・200円近くも取るんダ・・・(@_@)
今回の旅では、一切・・・円をISKに両替して来なかったので・・・ここでも「VISAカード」で支払う・・・。
アイスランドは・・・もう全てのモノが「カード払い」でOKなのダ・・・(唯一×なのは市内バスくらい)
市街やホテルに自販もないので、小銭さえ・・・必要無いのである。
「しかし、トイレまでカード払いとはね・・・(~_~;)」などと言いつつ、クレジットカードを「ヘンな鉄の割れ目」に差し込もうとするワ・タ・ク・シ・・・
「おっと、いかんいかん・・・いくら疲れているとは言え・・・、こりゃいかんゾ・・・(~_~;)(~_~;)」
一日のスタートのこの時点で・・・、もう既にかなりの「過労・気疲れ・時差による寝不足」諸々が蓄積している模様なのである・・・
だが・・・、・・・「今日は長旅で三カ所も周るんだから、しっかりしなくっちゃ」・・・、そう気持ちを奮い立たせ・・・いざ、出陣・・・
「うひゃ~~~っ、イイ景色だのぉ~~~。ものすごく寒いけど、来て良かったのぉ~~~。」
・・・と、ひたすら景色に見入る・・・ジャパニーズ二人組。
ちなみに、上の二枚目の写真の太陽のそばの斜め線は・・・飛行機雲である(*^_^*)
「もっと下の方まで行ってみようよ・・・」
・・・と、「ギャウ」の裂け目を下へ下へと・・・
すると・・・ずい分下へと降りた辺りで、先方にバスがたくさん停まっているのを発見・・・
「あれっ、あそこにあんなにバスが停まってるよ・・・。下からツアーをスタートするヒトたちもいるんだねぇ・・・(*^_^*)」
などと言いつつ・・・、坂を下りながら景観を楽しむ二人組
「おい、そろそろ戻らないとマズイぞ・・・」
夫のひと言に時計を見ると・・・、や・・・ホントである・・・
計算してみると・・・、今から急いで戻ってやっとこ・・・という感じである
急いでこの坂、上らないと・・・
駐車場の脇にあったお店もまだ見ていないし、急がないと集合時間に遅れてしまう・・・
そして・・・、「半凍結した滑る坂」に気を付けながらも、上へ上へと・・・今来た道を再び登って行くジャパニーズ二人組。
「ハァハァ・・・、おぉーーようやく着いたナ(汗々
) 大丈夫
・・・まだ10分弱あるんで、ちょっとあそこのお店覗いてから、5分前にバスに戻ればイイやね・・・(*^_^*)」
と言いつつ、お店の方へと向かう私・・・
しかし、そこで夫が突然立ちすくみ・・・「魔のひと言」をつぶやいたのである・・・
「あれ・・・・っ、バスがいない・・・・・・」
「えっ、ナニウソ・・・・・・あれっ・・・ホントだ・・・・・・何か・・・閑散としてる・・・・・・」
駐車場には、無人のバスが2台停まっているだけ・・・
そして、人影もパラパラ・・・
「・・・も、もう行っちゃったのか・・・」
「まさか・・・、それはゼッタイ無いよあり得ない・・・。まだ時間前だもん・・・
」
そして、ココで夫が・・・、「私の頭では想像だにしなかったショーゲキのひと言」を言い放ったのである・・・
「もしかして・・・、し・・・下か・・・」
・・・
・・・
はい、もう一度・・・皆さん・・・「リピート アフター ミー (*^_^*)」 ・・・
「もしかして・・・、し・・・下か・・・」
・・・
・・・
「えぇ・・・・・・っ・・・えっ ぎゃ・・・GAO~~~owwww
」
あの時は、ホント~に血の気が引いて・・・、顔面は完全に「ストライプ柄のちびまる子ちゃん状態」と相成り・・・、身体中の汗が一気に冷や汗へと変わって行くのが・・・自分でもマジでよ~~くわかった・・・
もちろん・・・ここで言う「下」とは・・・・・・先ほどの・・・「ギャウの下の方にあった駐車場」のコトを指し示すのである
「ち・・・ちょ・・・ちょっと聞いてくるわ・・・」
と言ってバスの方へと走って行く夫・・・
聞くったって・・・だ、誰もいないじゃん・・・
「もっと確かな方法は・・・」・・・と、急いでお店の中へとダッシュする私・・・
「あわわわわ・・・、あのぉ~・・・ツァーの集合場所はもしかして・・・し、下ですか・・・」
と、もちろん英語で・・・聞く・・・、イヤ・・・聞いたつもり・・・(~_~;)
しかし、カウンターにいた女性はのんびりと・・・
「どこのツアーですか」
みたいなコトを聞いて来たような来なかったような・・・
「そんなコト説明している時間は無いんじゃ」と焦りまくっている私は、「こりゃ、いかん
」といったん店を飛び出し、とりあえず夫を探す・・・
ふと駐車場を見ると・・・、ヤツは・・・動物園のシロクマの様にただ辺りをウロウロしている・・・((>д<))
「これは・・・下だよ、ゼッタイに下だ・・・この時間になって誰も来ないなんてあり得ない
下へ行こう
」
という私に、ようやくさっきの店に確認に走る夫・・・
今度はカウンターにいた男性の方に聞いてみたところ・・・
「ツアーの集合場所は、この坂を15分程下った先にある駐車場でっせ・・・」
という予想通りのお答えが・・・
「よしっ、走るゾ今5分前だ。下り坂だし・・・走ればきっと間に合うゾ
」
とダッシュする私・・・
しかし、哀しいかな・・・ランの最中に夫との差はどんどん開いて行き・・・
「俺が先に行ってバスを止めておくから・・・」
と言い残して、夫は先に行くコトに・・・
ヤツは週に何回か走っているので私より走行スピードは格段に速いし、「ギザギザ」の多い滑らないシューズを履いて来ている・・・
私のスノーブーツはイマイチ「ギザギザ感」に欠け、ヒジョーに足元がおぼつかないのダ・・・
そんな中での全力疾走・・・
「ハァハァ・・・、くぅ~~~っ・・・何の因果で「ギャウ」の割れ目で全力疾走しなきゃならんのか・・・ホントなら片道一回で済んだ所を三回も行ったり来たりするハメになっちったゼ・・・ハァハァ
やっぱり英語がダメだとこういうコトになっちゃうんだよナァ・・・(-_-;)
」
・・・と、心の中でつぶやきながらも必死に走る私・・・
足元を気を付けながらなので、ヘンな風に足の筋肉に力が入ってしまうのだが、そんなコトにはかまっていられない・・・
「走れメロス」
・・・そんな言葉が、ふと頭の中をよぎる・・・
だが、夫との距離はどんどん広がり・・・、一人でギャウをヨタヨタと疾走するMaria・・・
その時である・・・
後方から、走る足音が聞こえて来る・・・
それも複数・・・
もしや、私たち以外にもアホがいたのか・・・
そう思いつつ後ろを振り返ると・・・、今回の大型バスツアーの中に「もう一組だけ」いたジャパニーズ二人組(20代前半位のメンズ二人)が、息せき切ってこちらに向かって走って来るではないか・・・
「うわっ・・・、や、やっぱり上で待ってたんですか・・・」
「同じ4号車の方でよね・・・そうなんですよ・・・、上で待ってたんすけど時間になっても誰も来ないんで、売店のヒトに聞いてみたら、下に15分言ったところだって言うから・・・
」
「あ・・・、あの前の方走ってるの・・・ウチのダンナです。先行ってバス止めておいてくれるんで、置いて行かれちゃうってコトは無いと思います・・・ハァハァハァ・・・」
ネット情報によると・・・、「アイスランドのツアーは点呼がヒジョーに甘く、時間までにバスに戻らないと先に行かれてしまうコトがある」・・・とUPされていた・・・(-_-;)
だが、「四人」となったら・・・多分、気づいてもらえるだろう・・・
だがそれにしても・・・、アホが「四人」・・・(-_-;)(-_-;)(-_-;)(-_-;)
それも全員ジャパニーズ・・・
これは正に、由々しき事態なのである・・・
そして、少しの間はそのメンズ二人組と並走していたのだが・・・、少しづつ差が開いて来て・・・彼らはどんどん先に行ってしまった・・・
「ま・・・待って・・・。置いてかないで・・・ハヒハヒハヒ・・・」
そのうち前方で・・・「あ・・・見えた。あそこだ、あそこだ」という声が・・・
ホントだ・・・、豆粒みたいなバスが見える・・・
うぅ・・・、まだあんなに遠いのか・・・
「走れメロス」
こうなったら・・・鼻血が出るまで走って誠意を見せるしかないゾ
あの大型バスで遅刻したのが、「日本人四人だけ」・・・というコトになったら、日本の沽券に関わるソ゜
「日本人は時間にルーズ」・・・と思われてしまうかもしれない
国際問題に発展してしまうかもしれないゾ
「・・・って、そんなコトあるワケないだろ、キャハハw」・・・と、頭ん中で一人でボケ・ツッコミを繰り返しながらも・・・ひたすら走る・・・
だが、悲しいかな・・・、心臓が「バクバクの極致」になってしまって・・・いつの間にか、「数メートル歩いては・・・また走る・・・」という様な状態になって来てしまう・・・
ダメよ、ダメダメ・・・こんなコトしてちゃ・・・
「走れメロス」
太宰先生・・・私に力を・・・
そして・・・ようやくバスが大きくなって来た・・・
バスの前ではガイドの女性と夫が立って待っている・・・
ハァハァハァハァ・・・
ハァハァハァハァ・・・
「ア・・・、アイム・・・ソーリー・・・アイム・・・レイト・・・、ハァハァハァ」
もう限界なのである・・・
マジで・・・へろへろガクガクなのである・・・
「オーケー、オーケー、●×△#$(’&?|☆・・・・・・(*^_^*)」
と笑顔で迎えてくれるガイドさん。
そして・・・「生まれたばかりの小鹿」の様に、ガクガク笑う足をひきずりながらバスへと乗り込む・・・
「ソ、ソーリー・・・むにゃむにゃむにゃ・・・」
結局、6分位の遅れである(-_-;)
思ったよりも時間がかかってしまった・・・
アーーーッ・・・、こんな時に、「大きな声で誠実に謝りながらも、ジョークの一つもかっ飛ばせる位の語学力」が欲しい・・・(*´Д`)=з
小さくなりながら、通路を席まで進んで行く際・・・、欧米人の男性の・・・「通路に大きく投げ出されていた両足」につまづいて転びそうになってしまう・・・
足がワナワナして思うように動かないのである・・・
だが、その「足出しオジサン」は謝る気配も無く・・・、逆にジロッと白い目で睨まれてしまう・・・
ぢ、ぢくしょ~~~っ・・・
でも、遅れた私が悪いのだから・・・仕方ない・・・(-_-;)
ようやく席につき、夫に・・・
「あのさ、確か・・・バス降りる時、ガイドさんの説明は「大体分かった」って自信たっぷりに言ってたよね・・・まぁ、人任せにしてちゃんと聞いてなかった私も悪いけんだどサ・・・」
「そうなんだよ・・・、自分では分かったつもりでいたんだけど・・・・・・。でも、まぁ・・・よーするに・・・何も分かってなかった・・・ってコトだよな~~・・・ハハハハハ」
ウチのダンナは・・・、ゼッタイに「出来ない」とか「分からない」とか・・・言わない・・・
常に、実際よりもかなり・・・「自分を高く見積もる」傾向にある。
そのダンナが・・・「大体分かった」というコトは・・・、それは・・・・・・そうだよナァ・・・よーするに・・・「ほとんど分かっていない」ってコトと・・・イコールだったんだよナァ・・・(-_-;)
「私、時差と過労でフラフラなトコロにこんなに走っちゃって・・・マジで限界だよ。こんなにムリしたら・・・膀胱癌が再発しちゃうよどうしてくれるんだよ・・・っ
」
・・・と、「ヒト任せ」にしておいたコトを棚に上げ、なおかつ、「ヒトのせい」にするサイテーの女、Maria・・・(-_-;)
だが・・・
「ハハハ・・・、かえってカラダが活性化されていいんじゃないのか・・・(*^_^*)」
・・・と、全く意に介していないウチのアホ夫・・・
さ・・・さすがに、打たれ強い・・・(-_-;)
以前・・・、「脳血栓で一度倒れ、おまけに片肺で心臓にも問題のある自分の父親を、真冬の北海道旅行へと連れて行き、釧路の吹雪の雪原でスノウモービルを運転させて、その旅から帰った直後に病状を著しく悪化させた前歴」を持つアホ夫・・・
義父が亡くなってちょっと経った頃、義理の弟から・・・
「父ちゃんは、兄ちゃんと旅行に行って帰って来た後に、急に具合が悪くなっちゃったんだよね・・・」
とマジな顔で、「言いにくいコト」を言われてるのに・・・
「ふ~~ん・・・そうなのか・・・。親孝行しといて良かったナァ~~~」
・・・と、あの時も全く意に介せず・・・、ただニコニコしながら聞いてたよナァ~~~(-_-;)
「お義父さんの次は・・・、今度は・・・私の番じゃないだろね・・・殺す気じゃないだろね・・・
」
と「ギロッ」と睨みつけながら言ってみたのだが・・・、全くのれんに腕押し状態・・・
「あ~~~、やっぱり英語を勉強しなくちゃいかん・・・というコトが、これで身に沁みて分かったゼ」
・・・と、「今後の英語の勉強方針」で、既に頭がいっぱいの模様・・・なのである・・・(-_-;)
これが、今回の旅の「第一全力疾走」・・・「ギャウでGAO」の経緯・・・である(=◇=;)
雄大なプレートの裂け目を三回も行ったり来たりした・・・ジャパニーズ・アホ・二人組。
そして、この全力疾走の足のワナワナは、次に訪れたゲイシールにも尾を引き・・・、更に疲れ切った私の身体を痛めつけるコトと相成ってしまうのである・・・(-_-;)
それにしても、ジャパニーズ・アホ・四人組・・・
大型ツアーバスには、他にも東洋人は何人か乗っていた・・・
若目の韓国女性二人組とか・・・、同じく・・・一人モンの韓国か中国の男性とか・・・
彼らは、もう・・・英語ペラペラだった・・・
ガイドさんとも、全く同等に会話を交わしていた・・・
そして・・・私はここで初めて、「言葉の壁」という言葉の意味に気付いたのである。
「言葉の壁」。
そんなモノは、実際には存在しなかったのダ・・・
この言葉は、日本人が・・・「世界共通語である英語を話さなくても許される」・・・という自己弁護のために・・・、日本人自身が作り出した言葉だったのである。
「言葉の壁」。
そんなモノは存在しない。
存在しているのは・・・、「そんな言葉で世界共通語を話すコトを放棄している、日本人ならではの逃げ腰な心理」・・・だけなのであった・・・。
ああ・・・、今日は・・・長かったですね・・・(~_~;)
最後まで読んで下さった方・・・、ホントーにお疲れ様でした<(_ _)>
それでは今日はこの辺にて・・・
生きとし生けるものが幸せでありますように・・・
ではではまたまた