天皇・民衆・原爆ドーム | CM大往生

天皇・民衆・原爆ドーム

アマゾンのおすすめ商品として 突如 私のモニタに映し出された小熊
英二著「<民主>と<愛国>」(新曜社2002年刊行)。 見事な写真です。

天皇は正面から撮るのが普通で、それを裏から撮って居る事自体が
異質であり、このアングルそのものが「戦後」でありましょうか。

この写真のこの構図から、佐野学ら転向者が気付いたような意味での
<革命の主体>として 民衆の前に立って居る天皇 ととることも可能で
ありましょうし、あるいは天皇と民衆と原爆ドームが同居する様に日本的
な「無責任の体系」を見出すことも可能かも知れません。

昭和天皇をコラージュした大浦信行「遠近を抱えて 」など、この一枚に
比べれば 薄っぺらいものに想えます。
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書籍の装丁写真の後ろ向きつながりで 過去に装丁買いした書籍を
2点ほどお気に入りをば。

振り向いて居ますが、リチャード・パワーズ「舞踏会に向かう三人の農夫」
(みすず書房 2000年)の アウグスト・ザンダーによる写真「若い農夫たち」。


若合春侑「脳病院へまゐります」(文藝春秋 1999年)に使はれてゐる
「夫婦の後ろ姿」。