こんにちは。

テーマから今回は難病医療費の助成対象拡大法案・改正案を2014年2月12日に閣議決定しました。

正確に言うと難病および小児慢性特定疾患の医療費助成を拡大する制度を実施するための難病医療法案と児童福祉法改正案を閣議決定し、一昨日、2014年3月20日に国会において、政府与党の賛成多数で、平成25年度予算が成立しました。

内容は以前のブログでも書いたように、新制度は助成対象の拡大とともに、助成水準の見直しが中心といえます。

約40年ぶりの難病制度が開始してから、初めての大幅な見直しで、法制化で財源を確保して、安定的な制度を目的としています。

法案では、難病の認定を受けようとする患者さんは、都道府県知事が定める医師の診断書を添えて都道府県に申請し、認定を受けることとしました。

都道府県は認定を受けた患者さんの医療費を支給し、国が2分の1を負担します。

国は、診断と治療法の調査研究を推進し、地方自治体とともに正しい知識普及を図る動きだ。

厚生労働省は、法成立後、第三者委員会を立ち上げ、助成対象となる疾患や患者さんの基準を決定します。助成手続きの詳細を定めて、2015年1月からの助成を開始することになっています。

検索で2015年1月から線維筋痛症が難病に指定されるかどうかについては、一昨日国会で来年度予算が成立し、これから詳細を第三者委員会で決定するので、現時点では何とも言えないでしょう。

現行では56疾患(約78万人)が助成対象でありますが、これを300疾患(約150万人)となります。

医療費の負担は3割から2割に引き下げられます。

また、小児がんなどの子供の慢性疾患は、現行の514から約600に拡大します。

1995年に国には、次のような難病に対する希少性を定めています。
①原因不明、治療方法が未確立であり、かつ後遺症を残す恐れが少なくない疾病
②経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず、介護などに著しく人手を要する家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病

つまり、難病とは特定の患者さんを指す医学的用語(病名)ではなく、特定の条件を満たす疾病のうち、行政的な総称であることを示します。

例えば、私は脊髄小脳変性症ですが、これは行政的な総称であり、具体的な病名ではありません。

脊髄小脳変性症には、
①弧発性脊髄小脳変性症(オリーブ橋小脳萎縮症・線条体黒質変性症は多系統萎縮症の個人票に記入すること)
a.皮膚性小脳萎縮症
b.その他
②遺伝性脊髄小脳変性症
・本人の遺伝子診断の有無
A.常染色体優位遺伝性
a.MJD(SCA3)
b.SCA6
c.DRPLA
d.SCA1
e.SCA2
f.SCA7
g.その他(①純粋小脳失調症②その他)
C.常染色体劣性遺伝性
a.ビタミンE単独欠乏性失調症
b.アプラタキシン欠損症(眼球運動失行・低アルブミン血症を伴う早発型失調症)
c.Friedreich失調症
d.その他
D.その他の遺伝性
③痙性対麻痺
a.弧発性
b.常染色体優位
C.常染色体劣性
d.その他

私はちなみに、上で言う③のa.に該当する病気です。脊髄小脳変性症と言っても、これだけの病気があって、総称として名前がついている訳です。この部分は専門的な用語が避けれないため、細かいところは読み飛ばして頂いて構いません。

国は1995年に上で書いた定義に希少性を加えて、2013年現在、次の4つの要件を満たした疾患を難病指定しています。
①希少性
②原因不明
③効果的な治療方法の未確立
④生活面への長期の支障

しかし、実際に認められているのは364に過ぎません。

これはあくまでも難病対策における研究事業として指定されている疾患の数で、障害施策(福祉サービス)の対象となる疾患数はそのうちの130疾患です。

さらに、特定疾患難治療研究事業で、医療費助成の対象となっている疾患数はわずか56疾患に留まっています。

難病について、適切な診察を行える専門医は疾患ごとに限られているのが現状です。

かつ、その専門医は概して、全国でもごく一部の病院や、各地の大学病院に点在していると言って過言ではありません。

難病の患者さんの経済的負担は、医療費自己負担だけではありません。療養に要する諸費用や交通費など、負担は生涯にわたる極めて重いものです。

医療費助成を受けられるか否かは、治療を受けることが出来るかどうか、命に関わる死活問題といえます。

医療費助成を受けられる患者さんの疾患を、56から300に増やしたからと言って、抜本的な解決にはなりません。一方で症状が安定的な患者さんについては、助成の対象から外します。本当にこれで良いのでしょうか?

さらに、希少で治療が困難といわれる一般概念の難病が5,000~7,000種類あると言われています。

今回の見直しをしても、助成の対象から外れる病気は、まだまだたくさん出てくることになります。

国の考えは、みんなが必要な支援が行き届く制度の全体像をまず考え、ひとりひとりの疾患について、対策すべきか否かを次に考え、少しずつ対象患者さんを増やすという方法を採用しているため、いつまでも漏れる患者さんが出てしまいます。

線維筋痛症が特定疾患になるのか?どこで線引きが行われるのか、いつ公表されるか現時点では不明ですが、難病に関するニュースが出てきたら注目してみる必要があるでしょう。







参考:難病情報センター(HP)
厚生労働省
※難病については上で揚げた2つが資料   としてダウンロードも可能です。

長くなりましたが、最後まで読んで頂き、有難うございます。