フマル酸、Nrf2と心臓保護
Ashrafian H. et al. (2012) Fumarate is cardioprotective via activation of the Nrf2 antioxidant
pathway. Cell Metabolism 15: 361-371
フマル酸は、クエン酸回路の構成要素の一つで、フマル酸ヒドラーゼにより
リンゴ酸に変換される。フマル酸には心臓保護(心疾患防止)作用があるとされてきたが、
その作用メカニズムはよくわかっていない。
この研究では、フマル酸ヒドラーゼをノックダウンして心臓のフマル酸濃度を増加させると、
マウスで強い心臓保護作用がみられた。この時、クエン酸回路はアナプレロティック反応
によってATP生産機能が補償されていた。また、このマウスでは転写因子Nrf2により
抗酸化反応をに関わる遺伝子発現が上昇していることが示された。
表紙絵は、クエン酸回路の構成要素が複雑に絡み合い、心臓の機能を維持していることを表す。