たまには趣向を変えまして




小手返しに関して

 

麻雀において、小手返しという技術があります。これは、ツモってきた牌を切ったのか、元々持っていた牌を切ったのかをわからなくする技術です。

 

この技術の是非がツイッター上で語られていて面白いと思ったので、場末の麻雀店の立場から、小手返しについて語りたいと思います。

 

はじめに、うちの店のスタンスですが、「過度になる小手返し」を禁止しております。

具体的には、ツモ番以外での小手返しをひっきりなしにやっている方は注意しております。

理由は、カチャカチャ音が気になる方が確実にいるからです。

 

それでは音がならなければよいのか?と問われれば、本音を言えばOKです。

 

ただし、私は10年以上この業界におりますが、小手返しをする方の中で、まったく無音の方は1割にも満たないと感じております。

 

本音ではOKですが、音をさせない人がほとんどいないので、シンプルに「NG」としているのです。「音がしなければOK」なんて煩雑ですから。

 

もちろんカチャカチャ音なんてものは、小手返しをしようがしまいが、牌を扱う以上は多少はするものです。なので、ツモ番の時の小手返しに関しては禁止しておりません。ただ、意図的に無意味な音を出すのが不快だと感じる方がいるので、待っている間の執拗な小手返しを禁止している次第です。

 

ここまではうちの店のスタンスの話です。

 

そして、私自身の小手返しについて思うことですが・・・

 

小手返しが悪かどうかですが、これは個人が決めることではありません。

明らかな悪なのであれば、三味線やイカサマに関して明示するように「禁止」と書かれているはずです。

なので、「禁止」と書かれていないお店では、小手返しをしまくっても問題ないのです。

小手返しはタバコのようなものです。小手返しに我慢ならない人は、小手返しが禁止の店に行くか、小手返しをしないメンツで打てばよいのです。

小手返しが禁止でない場所で「小手返しがうるさいからやめてくれ」というのは、パチンコ屋で、他のお客さんに「副流煙を吸うと体に悪いから吸わないでくれ」と言っているようなものです。お店に対してルールを変えてくれと打診するのはよいですが、すでにOKを頂いているお客様に言う話ではないですよね。

 

小手返し反対派と賛成派、どっちが正義かをお互いが決めるというのは、これはもう、全くの無意味なのです。どちらかを決めるのは、各店舗や仲間内などハウス側の仕事であるし、どちらも正義なのです。そして、それぞれは自分の意思とマッチする場所で遊べばよいのです。

嫌煙家と愛煙家が分かり合う日が来ないように、小手返し反対派と賛成派が分かり合うことはないのです。

 

また、小手返しをすると、手出しかツモ切りかがわからないからフェアでない。という意見を持つ方もおられます。これも同じことで、「手出しかツモ切りかをわからなくする技術を認めている店・団体」と「手出しかツモ切りかをわからなくするのはNGとしている店・団体」があると考えるべきなのです。

 

うちのお店では無発声はマナー違反ですが、これは「うちの店ではマナー違反」なだけで、古くからあるサンマのお店なんかでは、「無発声がマナー」のお店もたくさん存在しています。小手返しに限らず、麻雀におけるマナーというものは、「店・団体」単位でしか通用しないマナーだと思わなければなりません。自分のマナー感を他所で持ち出すことは、一般常識としてのマナー違反だと思うのです。