「ご、ごめんなさい」
慌てて頭を下げて去っていく君の姿が目に焼きついて離れなかった。
君の笑顔に心奪われた。
「私は、写真を撮る方が好きなの」
持っているカメラを見つめ嬉しそうに告げた言葉。
「だ、駄目だよ!私、写真撮られると変な顔になるから!」
真っ赤になって反応を返す君の顔。
「ご、ごめんね・・・。大丈夫だから・・ちょっと転んで・・」
傷ついているくせに、無理して笑おうとする君。
知れば知るほど君を目で追いかけてしまう。
こんな風に想うことなどなくて。
そっと、顔を盗み見すると君は泣かないように必死になって
歯を食いしばって、雨の中散らばった服を袋につめている。
震える肩や指先に触れたくて。
でも触れることなど出来ない。
「なんで・・・」
「え?」
「なんで、あいつを庇うの?」
俺の言葉に、少し目を開くがすぐに目を伏せて
「・・・・私・・・ずるい子だから」
「・・・・」
「私・・・・判るから」
そう言って、荷物を持って立ち上がると俺にぎこちなく笑みを落とした。
いつも見せる温かな瞳は悲しみと苦しみの色に染まって。
「俺には理解できない」
「いいの!私は平気、だから・・・三國くんも、怒らないで」
「・・・・・・・」
ぐっと拳を握り締める。
ちっともよくない。
君の心が傷ついているのに。
「ほら」
「え・・・でも・・・・」
「風邪引いたら、修学旅行、楽しめないだろう?」
彼女にこれ以上言葉をかけることすら見つからなくて
着けていたシャツを頭からかぶせる。
困惑する彼女にそう告げると、おずおずと顔をだして
笑顔を見せた瞬間、ガラにもなく胸が撥ねた。
「三國くん?」
「いや・・・、じゃあ俺、帰るな」
「うん、ありがとう」
手をひらひらと振って歩き出した君を見送り
俺はあいつらの所へ戻るため一歩踏み出した。
「・・・・・・お前を悲しませたくない」
立ち止まり振り返って後ろ姿を見つめ呟き
俺は再び歩き出した。
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あとがき
こちらも『無料ゲーム、『放課後タイムトリップ』』のお話を
書いてみました。
かれペットを知っている人ならわかると思うのですが・・
知らない人は検索をしてみてください。
かれペットの中にありますから。
↑こら、説明になってないよ。
イラストが好きだったのでちょっとしてみました、
中々面白かったですよ。
私はこの中の『三國くん』が好きです。
俺様な感じが。
でも、最初は別の彼と一緒になるつもりが最終的には三國くんになったと言う
なんとも浮気者の結城です。
このお話おそらくあと2作くらい書きます。←は?
最初にある画像の彼が【三國くん】です