「綺麗な場所ですね」
「そうだな」
風に彼女の髪がふわりと靡いて
金色の穂も同じように靡いていた。
ざわわ・・・・・・
交わす会話もなく
ただ見つめる地の果て
「・・・・・・・ここが、貴方の最初の場所」
「咲弥?」
「そして、貴方の運命の場所」
「・・・・」
彼女はそれ以上何も言わず、私を見つめ
そして先を指差した。
「これが、貴方の行くべき道。
私もまた始まりの道」
「・・・・・・・お前は一体なの者なのだ」
「・・・・・答えることが貴方に誠実かな」
指した手を下ろし、彼女は私を見つめる
間を沈黙が流れていく。
「お前が選んだのなら、私に言うことはない」
「そう・・ですね。これは私が望んだ・・。
けれどね。リズヴァーン」
一瞬の沈黙
「貴方にもそれは言える事だから」
「おまえ・・」
「貴方も私の選んだ道には必要だから
神子にも・・・」
穏やかに笑顔を見せて彼女は私に告げた。
「そうか」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「あ~~~!どこに行っていたんですか!」
暗くなり、屋敷へ戻ると
神子が私の元へ駆け寄ってくる。
「心配したんですよ」
「・・・そうか」
「だけど、良かった」
嬉しそうな声で私に話しかける神子の姿に
心の中がほんのりと温かくなる。
私の選んだ道、
それは、神子の幸せ。
そして――――――――
「先生?」
「外は寒い、屋敷へ」
「はい」
神子と共に屋敷へ向かう。
隣に神子の姿を感じるだけで私の心は幸せで
「あの運命を繰り返さない
「先生?」
「・・・・なんでもない」
《貴方が神子を大切に思っているように
彼女も、また他の人も貴方を大切に思っている
忘れないで》
何故だろうか、彼女の別れ際の声が
耳に残った。
振り向いても彼女の姿はない。
不思議な彼女は、どのような思いであの言葉を告げたのか
気がつくのは この後の運命
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
あとがき
初めて弁慶以外のキャラで書いてみましたが
かなり不安です。
リズ先生。上手く表現できているでしょうか?
先生はあまり言葉を発しない人ですので・・・。
寡黙な人で、ゲームのときも他のキャラに比べて圧倒的に少なくて・・。
(言い訳だ!)
とにかく、書いてみました。好きなキャラの一人です。
「何故この運命を選んだ!」
のときのリズ先生の悲痛な声が私はテクニカルヒット!
さっすが!石田さん!(先生の声役の人です)