目が離せない
彼女の姿が目に焼きついて
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「大丈夫、ごめんね。少しぼんやりしていた・・・」
ぼんやりとこちらを見つめる姿がいつもと様子が違うのを
物語っている。
けれど、それを口に出す程、僕は子供でもなく
彼女の心に入り込むほどの特別な関係ではなかった。
どこか、遠くへ意識を離していたのか
いつの間にか彼女は空を眺めるように一点を見つめていた。
僕達はいつもと同じように、怨霊の原因を突き止めるための
話し合いをしていたため、彼女の異変に気がつくのが遅れた。
「咲弥?どうしたの?へん?空気がおかしい?」
白龍の言葉に、気がついて彼女に呼びかけるが
彼女からの返事はなく。
いつもの瞳には光が映ってはいない。
なんどか呼びかけて、ようやく彼女の意識がこちらへむいたのは
しばらくたってからのこと。
僕達の名前を呼び、返事を返す僕達に
ぼんやりとした瞳でじっと見つめているだけ。
部屋に入ってきた風に迷い込んできた紅葉を手にとり
見つめると、彼女の瞳に一瞬見えた翳り
けれど本当に一瞬だったから
僕には、言葉をかけることすらできなかった。
しかしその姿に感じた一抹の不安
それが分かるのは、ずっと先の未来のことだった
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あとがき
「予感」のお話の視点を主人公から八葉へ変えた作品です。
これもかなりイマイチ?ですね(なら載せるなよ!(#`ε´#))
まあ、相手は言わずとも分かるでしょうね。
私が好きなキャラの方です。