今日は照明部そして俳優部 | 続あたれぽ

今日は照明部そして俳優部

『あしたのジョー』エキストラ。
今日は出番がない時に照明部の仕事をしました。
実はよくある、映らないけどフラッシュを焚くだけの仕事です。
普段は小道具・装飾・照明の人たちがフラッシュ隊を組んでいるのですが、演出部からフラッシュ焚けという指示はなかったカットで、ゆえにフラッ シュ隊が結成されず、しかしどうしたってここはフラッシュ焚かないと絵がおかしいだろうと、最初は勝手に参加しましたが、別方向の一名だけのフラッシュ隊 から「助かります」と言われてそのまま本番GO。
ただ問題なのは、そのカットが私が力石戦の中でも特に現場で参加したくなかった三つのシーンの内のひとつだということです。しかしフラッシュを焚くタイミングとしては納得の行くものだったので満足したという、非常に複雑な気持ちです。
クライマックスの技が出た時の力石向けスローで上手からフラッシュを焚いているのは私です。
他にボラエキが参加できる照明部の仕事としては影になるとか煙草を吸う(スモークに準じて照明部が担当することがある)というのがあります。

この日は千客万来で、押し押しの昼飯の後、漫画家やら脚本家やら、主役が外に飯食いに行って拾ってきた人気若手俳優兼監督やら、続々とお客様が訪れて、特に漫画家が監督ベースにいる時などは現場全体がテンパってミス連発、非常にギスギスした状態に。
IT業界でも、テスト万全なのに客先でのデモに限ってコケるとかありがちです。
暇で近場にいたのでぼーっと様子を見ていましたが、力石は最初知らされていなかったようで、ベースで漫画家に会っても「(知らない人がいるぞ)チワっす」って感じでいつも通りでした(後でじっくり挨拶してた)。
平常心を心がけましょう。

帰りには、リングサイドの役付きの私たちが先に退場させられたのですが、勘違いされたボラエキの皆さんに拍手で送られてしまい、俺たち今この瞬間は俳優部なんだなと思いました。
あと撮影部と録音部をやればだいたい一通りの体験をしたことになると思いますが、この二つは難しいだろうなあ。

ところで基本は帽子なのですが、観客役もこなせるようにと頭はセットされています。メイクさんはいろいろな整髪料を使うのですが、今日のポマード は死ぬほど臭かった。現場ではわからなかったのですが、電車に乗ったらこれはあかんわと。俺なら車両移っちゃうねというレベルでした。すんませんでした。

【一年後の解説】
力石戦で参加したくなかったのは、これの他は後頭部ガーンと握手スルッです。
完成品では力石がしゃがんだところにいいタイミングでフラッシュが来てて、ちゃんと仕事してるな~。よしよし。
人気若手俳優兼監督てのは小栗旬のことです。
ちば先生のいる間の監督はいつもと別人のようでした。この瞬間から始まったリングサイドの女性徹底排除は後々まで続いたようです。