第20回 前田武志政策研究会 | 前田武志オフィシャルブログ「まえたけだよりweb版」Powered by Ameba

第20回 前田武志政策研究会

本日、第20回 前田武志政策研究会を開催いたしました。


講師に中前忠さま(中前国際経済研究所代表)をお迎えし、「世界は経済危機を乗り越えられるか」とのテーマで1時間に渡ってご講演いただきました。


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(中前忠様)

中前氏の講演は最新の各種データを駆使して世界経済を読み解き、併せて日本の取るべき道筋を示すというもので、大変興味深い内容でした。


御講演内容を抜粋すると、


・日本は午前4時の経済と例えている。まだ夜明けまで2-3年掛かるが朝は必ず来る。


・多国籍企業の収益構造は海外8割で、国内の雇用創出などの経済効果は限定的。今後、国と多国籍企業の利害相反が政治課題となってくる。


・現在、膨大な資金が市場にあるものの、それを必要とする国内企業(主に中堅、中小企業)には届かず、新興国へ流れている。結果、新興国では好景気に沸くものの、資源バブル、貧富の格差を加速し、また、所得の倍増による購買力の上昇でコーヒーに代表されるように食糧価格の高騰を招いている。


・新興国の株価はピークを過ぎた。インド、ブラジル、韓国などで明らか。


・これからの世界の経済成長は鈍化する。これまでの20年間は人口が13億人増加したが、今後の20年間では9億人の増加にとどまり、需要の伸びが鈍るため。


・日本の高齢化はほぼピークを迎えた。中国は急速に高齢化が進み、若年労働者が減少する。米国は人口増が続き、底堅い。


・日本経済はバブル崩壊によって成長が止まったのではない。60年代をピークに公共事業が減少したことによる需要低下が原因。


・日本は内需拡大のための投資が重要あり、医療ロボットなど未来技術への投資が必要と考える。


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(講演に聞き入る参加者の皆さま)


・中国経済はいまジレンマにある。貿易収支から中国は第3フェーズにある。第1フェーズは輸出拡大による黒字拡大期、第2フェーズはリーマンショックによる輸出減少で生じた黒字減少期、第3フェーズは国民の購買意欲の拡大が輸入激増を誘発することによる黒字減少期。中国は経済成長すれば輸入が増えて貿易赤字が、経済成長が止まれば世界の景気縮小を引き起こして輸出減少が起こるというジレンマに陥っている。


・アメリカも次の経済成長モデルが描けずにいる。サービス業の成長が止まり、多国籍企業は国内での雇用創出に貢献しないため、成長モデル作りが必要となっている。


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(司会は大西孝典議員 が務めてくださいました)


・日本はいま銀行危機の状況にある。銀行危機とは国債の利回り低下と銀行株指数の低下が同時に起こったときに発生するが、今回は3回目。問題は、前2回が不良債権問題による銀行危機だったのに対して、今回は銀行が儲からなくなっていることにある。


・銀行危機の原因はゼロ金利政策。年金問題や景気問題にもゼロ金利政策はマイナス。特に年金問題については、利子収入が当てにできないからこそリタイア世帯は消費を増やすことができない。利子収入があれば年金問題の解決には目途が付くはず。


・銀行危機はチャンスと背中合わせの面も持つ。銀行預金に価値を見出さない預金者が増え、預金の引き出しが増えれば、銀行は保有する国債を売却し、資産を取り崩さねばならず、その結果として国債の利回りが高くなる(国債が安くなる)。そうなれば銀行の利息も高まり、利子収入が再度発生する。


・ただし、舵取りが非常に困難であり、政治の手腕が問われる。特に注意すべきことは国債と引き出された国民の預金が海外に流出しないこと。S&P社が日本国債の格付けを引き下げたが、外貨建の負債はなく、理論的にも円が破たんすることはあり得ない。


・日本の経常収支は常に黒字。経常黒字の維持と資金の海外流出阻止が最も重要。円安は国内経済に効果の薄い多国籍企業にとって都合が良いのであって、一般国民、国内事業者にとっては円高は望ましい。財政赤字は日本経済の成長阻害要因となるが、今後欠ける分野、つまり減少する労働力問題に対処する代替技術への投資(例えば医療ロボットなど)が最も重要となる。


時間の都合もあり、話尽くせない部分があったことは大変残念ですが、重要なご指摘が多数あり、とても勉強になりました。


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(大変勉強になったと前田武志も申しておりました)


前田武志も中前氏と質疑を交わし、経常黒字への注意と内需中心の経済政策の重要性を改めて確認するとともに、民主党の住宅政策「住宅リフォーム大作戦(マニフェスト44)」の有効性を確かめ、その推進に向けて決意を固めておりました。


国民の生活が第一を掲げ、これからも前田武志は活動して参ります。