最近記事の投稿をさぼってしまい、久しぶりに記事を投稿します。


 横浜弁護士会から会長談話のファックスがきましたので、何かと思ったら、会の弁護士が預り金を着服したというお話でした。


 先日会のベテラン弁護士の同じような出来事があったばかりなので、驚きました。そして、今回は私と期が近い中堅若手の方だったので本当に驚きました。


 先日のベテランの弁護士の件にあったのですが、大体事件の原因となる出来事のパターンとしては「生活費にあてた」「事務所経費にあてた」「あてにしていた報酬が入らなかった」など、何らかの原因で入ってくるお金が少なくなり、出ていくお金をまかなえないということが多いようです。


 予想されることとしては、「仕事の自然減→売り上げが減った」「あてにしていた弁護士報酬のとりはぐれ」「人材不足や自身の体調不良などで仕事ができなかった」ということだと思います。

 もちろん、自身の浪費や投資の失敗などその人自身に強く落ち度がある場合がありますが、最近の傾向は、どうもそれだけではないようです。


 ところで、他の業種の社長さんのの話をきいてみると、売上の減少や売上金の回収不能、人材不足による業務遂行不可能、自身の病気などによる業務遂行不可能というような事態は同じようにあるようで、そのときのダメージは大きいようです。

 極端な場合、破産宣告などしなければならず、取引先などに大いに迷惑をかけます。


 もっとも、それは日ごろからある程度準備をしておけば何とか切り抜けられるようで、全部が全部破産宣告など致命傷になるわけではないようです。むしろ何とかなることの方が多いようです。


 ある地域の中規模建設会社の社長さんに聞いたのですが、以前ある事件にまきこまれて、資金繰りに○億円という穴をあけてしまったことがあるそうです。そのとき、真っ先に相談したのが日頃お付き合いをしている地元の信用金庫。いろいろ融資の仕方をおしえてもらい、公的機関からの助成金や安い金利での融資の知識などもおしえてもらい、何とか乗り切ったそうです。もちろん、ダメージは大きく、その影響はそのあと十年ばかり続き、その返済のため10年ほどの期間をかけ、月々の返済が半端でないので苦しかったらしいですが、最後まで頑張って乗り切ったそうです。


 中小企業の社長さんは、資金繰りにはいつも敏感で、もしもの時に備えています。、極端な話、仕事は順調で、別に融資を受けなくても資金繰りは間に合う時であっても、地元の信頼できる金融機関から融資を受けておき、お付き合いをし、確実に返済をしてくれるということで、金融機関との信頼関係を築き、もしもの場合に助けてもらえるよう備えています。


 法律事務所の場合はどうでしょうか。

 特に中小の町の普通の法律事務所の場合は、そのような感覚を持った弁護士はごく少数のように思えます。やはり仕事柄、「資金がショートしそう→早めに対処→破産宣告など法的整理で処理」という、末期の事例ばかり見ているためか、資金繰りが悪化したらもうおしまいだ、と思うのか、なんとか緊急の融資をうけて事業を存続させようという感覚に乏しい人もいるようです。


 また、「借金」とか「融資」というようなものにコンプレックスを持っている方も多いようで、「自分が借金や融資を受けるなんてとんでもない」と思っている人が多いようです。


 ただ、中小企業の経営の原則からすれば、「目的を持って計画的に受ける融資は健全な融資」であり、むしろ経済原理からすれば理にかなっていることです。無借金経営がいつもいつも良いとは限らないのです。


 そして、日頃からもしもの場合に備えた考え方がないので、「もしものとき」が現実的になった場合、なす術もなく、「後で填補すればなんとかなる」ということで「預り金を借用」ということになっているように思えてなりません(注:あくまでも個人的な感覚ですのでお許しください)


 「預り金の着服」という事態が生じた場合、いつもいつも対策として出てくるのが「倫理研修の充実」ということですが、明日の資金繰りに困ったような切羽詰まった状態では、かなり高度な倫理観や良心をもっていない限り悪心を抑えきるのは困難です。弁護士であっても生身の人間であり、そこまでの高度な倫理観を備えた人はどれだけいるのでしょうか。

 それよりも、「資金繰りのショート」に備えた対策やその啓蒙、金融機関や融資先とのお付き合いの仕方をおしえることや信頼できる金融機関やコンサルタントの紹介、資金繰りが危ない場合に遠慮なく相談できる会の窓口を設けるなどの対策の方が実効性があると思います。やはりこのようなことが生じそうになった場合、致命傷になる前に会に相談することができるようにする。そのような相談にこたえられる能力を持っている方がいるかということもありますが、会員の中には、事業再生など専門にしているプロもいるのですから、探せばいると思います。そして、そのよう場合は恥ずかしがらずに、勇気を出して相談するよう啓蒙するなどの対策の方が効果があるような気がするのですが。


 危ない事態が生じた場合の相談できる窓口やそれに備えた知識の啓蒙。そうすれば、まじめで正義感あふれる弁護士が資格を失うことは少なくなるような気がします。


 (生意気なことかもしれませんが、以上はあくまでも個人的な感想ですのでお許しください)

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