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2012-02-12 00:55:45 テーマ:読書

合わない仕事に見切りをつけるべきか。


 前中日ドラゴンズ監督落合博満氏の著書「采配」を読んでおります。


 その中で面白いことが書いてありました。

 「セルフプロデュース能力」という能力です。よくわからない言葉ですが,本を見ると「自分自身を適性な世界へ導く才能」ということだそうです。


 例えば,プロ野球選手としてプロ球団に入った人がいたとしても,実はその人は経営者に向いていたかもしれない。違う職業や違う道に向いているかもしれない。さすがに,落合監督のように20年も現役選手をしていれば,プロ野球選手の道が自分に向いていない,もっとほかの道があったのではないかと思うことはないが,例えば,自分はいいと思っていても監督や周りが評価してくれない,使ってくれないといったような場合,所属チーム,あるいはさらには野球選手の道にどの段階で見切りをつけるべきかということのようである。


 落合氏は,昔であれば,終身雇用,「男子一生の仕事」という観念が強かったが,今の時代人材が動く時代であり,優秀な人はヘッドハンティングされるが,戦力にならない人は容赦なくリストラされる。そういう社会になってきているので,一般社会であっても,プロ野球選手のような「セルフプロデュース」という考え方が必要ではないかという問題を提起をされています。


 弁護士をやっていると,自分はこの仕事には向いていないのではないかと思った経験を持っている人は1人や2人ではないと思います。また逆に,他の道から弁護士に転身して来た人の中には,自分はこの会社にいてもどこまで昇進するかたかが知れている。それならこの道に見切りをつけて,司法試験を受けて新しい道を探っていこう。こう思って弁護士になった人もいらっしゃると思います。


 ただ,転身したほうがいいのか。それとも他の道へ進んだほうがいいのか。また,転身した人であっても,本当に転身して良かったのかと思っている人もいると思います。


 私も裁判所書記官から司法試験を受けて弁護士になりました。広い意味では同じ業界ですが,転身と言われれば転身です。

 司法試験を受けている時は,なかなか合格できず,本当に自分が進もうとしている道は自分にあっているのか。それとも,このまま裁判所にいて定年まで働いたほうがいいのではないか。こんなことで迷ったことは数知れません。

 また,弁護士になって,なかなかうまく仕事ができなかったり,依頼者と意見があわなかったりけんか寸前までなったりすると,本当に弁護士になってよかったのかと思うことがありました。

 でも,さすがに弁護士になって8年以上が過ぎ,自分の事務所を持ち,勤務弁護士,事務局スタッフを複数抱えた今となっては,本当に司法試験を受けてよかったのか。安定した公務員の身分の方が良かったのではないか,弁護士になって独立なんかして本当によかったのか,などと思うことはかなり少なくなりました。

 今となっては,自分がわがままで,例えば何時から何時までとか,朝は何時に来いとか,自分が気がのらない仕事でも上司に言われたら嫌でもやらなければいけないという世界が自分には向かないことがわかってきました。わがままが通る今の立場は結構あっていると感じています。また,自分は細かい事務作業など大嫌いなので,これを部下に任せることができる「マネージャ型弁護士」という今の立場が向いていると思っています。もし裁判所書記官や勤務弁護士のように,人に雇われる身分であったら,絶対こんなことは許されません。

 そういう意味では,今のところ転身は成功と見ていいと自分で勝手に思っています。


 落合氏は,とにかく目の前の仕事にベストを尽くし,「自分には何ができるのか正しく認識し,できないことはできるように努力し,できるようになったら質を高めていく。こうやって段階を踏みながら仕事に取り組めば,次第にその仕事は自分にあっているのか,あるいは別の分野で頑張っていくべきなのか,客観的な視点でも判断できるようになる」と述べています。


 悩んだらとにかく目の前のことに集中してベストを尽くし,その上で考えればいいということですが,私も賛成です。

 

 

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2012-02-07 17:33:11 テーマ:ローカル

裁判員の温情届かず。


横浜地裁の小田原支部の裁判員裁判第1号だったそうですが。

裁判員の思いは届かなかったようです。

http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000001202070003


裁判員裁判で、温情判決を受けた男が執行猶予中に事務所荒らしを繰り返し、建造物侵入と窃盗の罪に問われた。
その判決公判が6日、横浜地裁小田原支部であり、西野牧子裁判官は懲役1年8カ月(求刑2年6カ月)の実刑判決を言い渡した。

 住所不定、無職宮本広弥被告(23)。この日の判決によると、昨年10月末から翌11月、小田原市内の歯科医院や
不動産事務所に知人や兄とともに侵入し、手提げ金庫内の現金を盗むなどした。

 宮本被告は2009年、小田原市内のレンタルビデオ店でCD44枚を盗み警備員にけがをさせた強盗致傷など3件の
罪に問われた。小田原支部では初めての裁判員裁判で、宮本被告は涙を流して更生を誓った。
父親も出廷し、監督指導を約束した。判決は「今度こそ更生したいという強い意欲を示している」として懲役3年、
保護観察つき執行猶予5年を言い渡した。

 検察側の求刑は懲役6年だった。当時の検察の地元トップは「量刑は想像を下回った」と驚いた。

 1月30日にあった今回の裁判の被告人質問で、宮本被告は「(執行猶予にしてくれた)裁判官(と裁判員)を裏切った」とぼそり。
「父さんの家にいて働いていたが、意見があわず家出した」「仕事がなくなり悪くなった」と再犯に至った理由を話した。
西野裁判官から「刑務所で人生を送りたいと思わないですよね」と問われると、頭を下げてうなずいた。

 今回の裁判には両親とも出廷しなかった。弁護士によると、連絡がとれなかったり、関係を拒んだりしているという。

(岡田宙太)
asahi.com:09年に裁判員裁判で温情判決-マイタウン神奈川


 ちなみに,2009年10月22日の記事

 ↓

21歳 無職・宮本広弥 強盗致傷に「更生期待」と猶予判決

21歳 無職・宮本広弥 強盗致傷に「更生期待」と猶予判決

懲役3年、保護観察付き執行猶予5年(求刑懲役6年)の判決って・・・!!

時事通信によるとレンタル店から商品を盗んで警備員にけがを負わせるなどした3件の事件の裁判員裁判で、横浜地裁小田原支部(山田和則裁判長)は22日、強盗致傷などの罪に問われた無職宮本広弥被告(21)に懲役3年、保護観察付き執行猶予5年(求刑懲役6年)の判決を言い渡した。
 判決は「暴行は執ようで万引きも常習的」と認定する一方、被害者と示談した点を挙げ、「被告は真摯(しんし)に反省している。今回に限り、社会での更生に期待する」とした。山田裁判長は言い渡し後、「裁判員と裁判官はあなたの立ち直りに期待している。裏切らない生活をしてほしい」と述べた。
 検察側は、(回を重ねるごとに)犯行が悪質になっており、刑務所で自らを省みるべきだとして実刑を求めていた。
 裁判員を務めた男性(23)は記者会見で「被告と年が近く、同じくらいの人生経験しかない。未熟な自分が人を裁いていいのか、葛藤(かっとう)があった」と話した。
 判決によると、宮本被告は1月下旬~5月上旬、小田原、厚木両市にある3店でDVDやCDを盗んだ上、2人の警備員に暴行し、けがを負わせるなどした。 

 

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2012-02-04 23:08:33 テーマ:経営

第65期司法修習生の採用


 横浜弁護士会の司法修習生の就職説明会が,今年は2月18日土曜日に横浜開港記念会館行われます。


 私の事務所は,新64期から4名採ったので,65期は遠慮させてもらおうと思っていましたが,64期の新人が,まだ1か月あまりですが,期待したとおりの仕事をしてくれていることや,新件受任件数については,大幅に落ち込んだということはないこと,財務も支出増大はありますが,で多額の個人資産を投入しなければならないといった状況にはないこと,かえって事務量は増大の傾向であることから,今年もいい人がいれば1人くらいはと思うようになりました。


 来週就職説明会にブースを出して見たいと思います(ブースを出す手続きは来週にとろうとおもっています)


 最近,修習生の採用活動や新しく採用をして実際雇っている人のお話を聞くと,私の事務所の弁護士はそうではないのですが,他ではいまだに修習の延長と思っている人もいるようで,イソ弁=修行と思って,「横で見て勉強させてください」という感覚で仕事をしている新人弁護士が多くいるようです。

 (こちらの事務所の先生のサイトを見るとよくわかります)

 →  http://www.legal-aid.jp/saiyou.htm


 修習の延長の感覚でいる新人弁護士にいきなり事務所の新件の法律相談をさせたり,期日の出頭に1人で行ってきてくれといったようなことを頼むと,泣き出しそうな顔をする人もいると聞いています。

 

 確かに,昔はまだどこの事務所も余裕があったので,新人に1バシバシ仕事をさせて,下手に1人でやらせて厄介なトラブルでも起きたら大変だ,まだ右も左もわからないのだから,ゆっくり仕事をさせてあげればいい,というボス弁もいたと思います。最初は内容証明の起案をさせて,それを作るのに2週間かかっていた,などというのんびりしていた話を昔は聞いたことがありました。ただ,今は,特に町の中小零細事務所はそんな非生産的な事態を許している余裕はありません。イソ弁=横で師匠や先輩の姿を見て修行する場,という考え方は,すでに「古き良き時代」の慣わしと思っていただいたほうがいいようです。新人弁護士=組織の生産性を拡大する重要な戦力なのです。プロとして成長していくのは,その間接的な効果なのです。


 1年目の新人弁護士が,1人で法律相談をしてはいけないというシステム上の制約をしているのは弁護士会主催の法律相談くらいで,勿論個々の法律事務所の既存のメンバーは,早く1人で法律相談をできるようになってくれ,と思っていますし,法テラスの法律相談は1年目の新人弁護士が1人で行うことを禁止していません。


 考えてみれば,弁護士の場合は,普通の民間企業や官庁の新人と違い,既に1年間修習という訓練を行ってきています。それも,給費制が廃止されるとはいえ,この修習という訓練に多額の国費を投入していることには変わりありません。


 それなのに,「私は新人なので何もわかりません」「不安なので1人では何もできません」では甘えているとしかいいようがないと思います。


  すでに,イソ弁は「給料をもらって勉強をさせてもらう」という存在ではないことを認識してもらわなければなりません。事務所の貴重な戦力であり,生産性を発揮してもらわなければ困るのです。不安があっても,思い切って火の中に飛び込み火傷を負うくらいの勇気と決断力はもっていなければならないと思います。

 初期の段階から生産性を発揮してもらい,やりきれないほどの多数の案件をこなしていただく。その過程で,知識だけではなく,プロとしての感覚を磨いていただく。1年で30件程度の事件しかこなしていない人と,1年で80件,100件こなした人の,3年,5年,10年先の実力の差は明らかであると思います。


 多数の事件の経験と身につけた知識によって,人の役に立っていくのがこの仕事の醍醐味だと思いますので,これから弁護士になろうという人はわきまえていただければと思います。

 

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