本日は、記事の内容において、執筆者と翻訳者の意見が一致をみることがなかったため、翻訳者が記事の翻訳を拒否しました。

ここにお詫びを申し上げます。

マドレーヌ
西に宮島があれば、東は松島。

西に広島のカキがあれば、東は宮城のカキ。

友達のミミと松島を訪れたおり、わたくしが驚きましたのは、

その風景もさることながら、そこのカキの大きさでしたの。



たいていのフランス人同様、

わたくし、カキには目がないんです。

「MaRchとか、OctobeRのように、<R>の入っている月にだけ、カキを食べなさい」

と言いますでしょ。これは、迷信。

荷馬車でカキを運んでいた時代の話ですわ。

わたくしは、いつでも、チャンスがあれば、カキをいただいています。

もう、どんどん、どんどん、いただいて、殻の山を作っていきますの。

こちらでは、生ガキにちょっとレモンを搾って口の中に落とし込むのが、

普通の食べ方ですわ。

あの潮の芳醇なジュースの味、あのトロリとのど元を抜ける感触、

ああ、この文を書いているそばから、

食べたくなってしまう。



「せっかく日本にいるのだから、何か独特の食べ方を教えてくださらない?」

ミミにせがみますとね、彼女が頼んでくれたのが、

カキのフライ。

コートダジュールには、<ズッキーニ(courgette)の花のフライ>という、

変わった郷土料理がありますが、

カキのフライというのは聞いたことがありませんでしたわ。

「中が熱いから、注意してね」

とミミから忠告を受け、

揚げたてのコロモに歯を立てると、

じゅっ、

と温かいカキのジュースが流れ出し、

口の中を、上品な、海のコンソメが満たします。

そのままでも人を魅了してやまないカキのジュースは、

軽く火が通ることにより、そのうまみがいっそう引き立てられ、

「生よりも、おいしいわ」。

それが、わたくしの実感。

かみしめるたびに、

カキのクリーム、揚げられたコロモ、コロモにしみ込んだレモン汁、そして、海のコンソメ、

それが、みんな一つになり、あの官能的な歯触りのあとに、

のど元を落ちていく。

そのあと、鼻に抜けていく,ほのかな海の香り。

「ファンタスティック、・・・」



この、カキのジュースに<軽く火を通す>ということを思いついた日本の方達に、

脱帽です。

松島のカキの大きさを生かすには、最善の方法ですわ。

そのあとフランスのブルターニュ地方を旅しておりましてね、

(この地方も、カキで有名ですのよ)

まったく同じ概念に基づいた料理に出会いましたの。

それは、ケスタンベール(Questembert)という小さな町にある二つ星レストラン「ル・ブルターニュ(Le Bretagne)」で、です。

こちらでは、パン粉のフライを使う代わりに、レタスを湯がいたものでカキをくるみ、その大切なジュースを守ります。(Huîtres en paquets sous un beurre mousseux à l'estragon)

これも、おいしい。

画家でもあるシェフの絵画で壁が埋められ、とても感じの良いレストランです。

日本人のコックさんや給仕の方もいましたよ。

カキがお好きな方にはぜひ挑戦していただいて、ぜひ、ご意見をうかがいたいわ。

創業シェフが引退なさるということで、味が変わってなければ幸いです。

(注 文中の二つ星というのは、わたくしが訪れましたおりのことで、現在ミシュランの赤ガイドでは、一つ星です。ああ、残念)




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日本とフランスの交流が始まって、今年で、150年になります。

国と国との結びつきも、男性と女性の関係と同じように、

ぴたっとくっついているときもあれば、ちょっと疎遠になったり、

場合によっては、けんかをしてしまうような時期もありますわ。

今、フランスと日本はとても仲良し。

フランスには日本を愛する人たちがたくさんいて、

日本にもフランスに興味を持ってくださる方々が、おおぜいいらっしゃる。

幸せなとき、と言っても差し支えないかと思います。

明日は、日本とその文化への、あふれんばかりの愛を送る催しが、

ニースに住む人たちによって行われますの。



Au printemps, c'est l'aurore que je préfère.

 (春、それは、私の好きなオーロラ。)


La cime des monts devient peu à peu distincte

 (山の端が、少しずつ、明確になって)


et s'eclaire faiblement.

 (弱々しく輝く。)


Des nuages violacés s'allonge en minces traînées.

 (紫に染まる雲が、切れ切れに列をなし、そこに横たわる)



あす14日の「日本語の詩と散文の朗読会」では、

この一文が読まれるのですが、

みなさんは、オリジナルが何か、もうお分かりでしょうか?

そうです。

清少納言の「枕草子」の冒頭です。

この朗読会を企画なさったミッシェル・エルマンさんは、

21世紀のレオナルド・ダ・ビンチのような方。

ニュー・カレドニア育ちのフランス人で、天文学者。

そして、イタリア語でオペラを書かれます。

日本文学への造詣も深く、古典から、太宰治・小川洋子までお読みになりますの。

そんなエルマンさんが、

「紫式部日記」「更級日記」「枕草子」を縦糸に、

与謝野晶子の「みだれ髪」を横糸に、

日本の「女手(おんなで)」をひとつの作品に編みました。

そして、最後に高らかにうたわれるのは、

ご自身の被爆体験を詩になさっている橋爪文さんの

「共生」。

<天からふりそそぐ星の光のもと、

ミミズとわたしはともに生きている>

というメッセージが、日本語とフランス語で伝えられます。



この催しは、ニースの方々からの、日本への<愛の便り>ですわ。

男女の愛と同じように、

この愛も、一方通行のままでは、やがて消えてします。

愛は、愛されることで、燃え続ける。そうじゃありません?



ミシェル・エルマンさんは、こんなにも日本を愛してらっしゃるのに、

まだ一度も日本を見たことがありません。

飛行機恐怖症の奥様とともに、

シベリア鉄道経由で、日本へ。

これが彼の夢ですの。



「フランス語で、日本の古典を」

そんな文化交流に興味を持たれる財団でもないかしら?

「日本も、日本を愛するフランス人を愛している」

と、どうぞ、どなたかおっしゃって!





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