ルポは半端だが祭は半端じゃない | 小景異情

小景異情

ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの よしや うらぶれて異土の乞食となるとても 帰るところにあるまじや ひとり都のゆふぐれに ふるさとおもひ涙ぐむ そのこころもて 遠きみやこに帰らばや 遠きみやこに帰らばや

 「東北六魂祭」中途半端ルポ



 15時、酔いがようやく覚め復活の兆し、「東北六魂祭」を見物するために家を出る。多くの人手が予測され、バスも相当混むであろうと判断し、約1時間の道程を歩くことを決意する。通り過ぎるバス停には長蛇の列ができている。晴天の中、途中で水を購入しロングロードを行く。



 仙台市役所前の市民広場に到着し驚く。とんでもない数の人人人・・・人の塊が道を塞ぎ全く会場内に入ることができないのだ。「青葉まつり」でも「仙台七夕」でもこんな状況に直面したことがなく、早速飲もうと思っていた出店の生ビールも諦める始末だ。ある程度隙間を窺いつつ人の波を潜り抜ける自信は、マラソンのスタート時の混雑状況から抜け出る実践により多少はあったのであるが、その隙間が微塵も無い。定禅寺通りの歩道もガッチリと人の塊が鎮座し渡ることができずに大きな遠回りをしてようやく渡る。アーケードも国分町の通りも人でごった返し、とにかくとんでもない騒ぎである。



 結論を言えば一つも見ることができなかった。秋田竿灯を準備するシーンのみ辛うじて見ることができたか。仙台のキャパシティを容易に超えていたように思う。多くの観光客が足を運んだということは祭りの趣旨が理解され共感されたのであり、大いに喜ぶべきことであるが、あまりの人手にパレードを全く見れなかったとあっては本末転倒のような気もしてくる。



 大通りはさながらアジア風で車と人とがごちゃごちゃになって収拾が付かない状態である。とんでもない数の者の足が踏まれたであろうし、暑い最中に人に揉まれ具合が悪くなった者もいたであろう。



 明日も開催されるが、警備や誘導の状況が今日と同じようであるならば相当の覚悟を持って行かなければヤラれてしまう、そんな感じがする。



 明日発表されるであろう人手に注目しよう。



 ふ~、まずはゆっくりとビールでも飲もう。