シネマの万華鏡

ちょっぴり腐女子な映画評。
「ほどよいお下品」「ほどよい悪ノリ」を探し求めて
彷徨っております。
基本的にネタバレしていますのでご注意ください。
なおブログヘッダー作成にあたり「マジョリ画」を利用しています。


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(スティーヴン・ラッセル(左 ジム・キャリー)とフィリップ・モリス(右 ユアン・マクレガー)

 

◆恋する詐欺師スティーヴン・ラッセル◆

 

2009年のアメリカ・フランス合作映画。

監督・脚本はグレン・フィカーラ、製作総指揮に「ニキータ」・「レオン」のリュック・ベッソン。

 

ゲイで詐欺師のスティーヴン(ジム・キャリー)が刑務所とシャバを行き来しながら繰り広げる、華麗なるお騒がせ事件と詐欺師らしからぬ一途な恋!

ゲイ版ロマンティック・コメディーとでも言いましょうか。

ダイナミックな手口で片っ端から人を騙したおす彼の手並みの鮮やかさは、犯罪ながら職人芸の域。

人ってこうもあっけなく騙されるものなのか・・・どう見ても100%フィクションとしか思えないんですが、これがなんと実話をベースにした話だというから驚きです。

 

スティーヴンのモデルになったのは、その名もスティーヴン・ジェイ・ラッセルなる詐欺師。

天賦の才能を感じさせる騙しの能力と、それを利用して易々と脱獄を繰り返す驚異のプリズン・ブレイカーぶりから、映画化される以前から”King of Cons(ペテン師の王)"と呼ばれる有名人

スティーヴン・スピルバーグの「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」(2002年)でディカプリオが演じた詐欺師フランク・ウィリアム・アバグネイル同様に、その驚きの手並みはテレビ番組でも紹介されていたようです。

そんな彼が悪知恵の限りを尽くして金儲けと脱獄を繰り返した理由というのがまたまた驚き。

なんと犯行動機のすべては、

服役中に出会った恋人フィリップ・モリスを愛するがゆえ。

だったというんですから、これはもう映画界がこのネタを放っておくはずがありません。

フィリップ・モリス役にはユアン・マクレガー。

アメリカでの特別試写会には実在のフィリップ・モリスも出席したそうで、試写会での彼の写真はこちらで見られます。

 

◆コメディアンジム・キャリーの本領発揮◆

 

 

ジム・キャリーの、コメディアンの本領発揮!な小気味良い演技と、1シーンごとにクルクルと状況が変わっていく序盤の巧みな構成にやられて、一気に物語の世界へ。

ジェットコースターばりに揺さぶられる感覚に心地よく酔いながら、2人の出会いまで、まさに疾走。

 

詐欺師のスティーヴンが、次々と魔法のようなサプライズを披露してフィリップの乙女心を鷲掴みにしていくプロセスがまた、さながらシンデレラ・ストーリーばりのとろける甘さで!

それでいてスパイシーな笑いの要素もたっぷり。

シンデレラは王子と結婚したら永遠のめでたし殿堂入りですが、相手が詐欺師だとそこで「上がり」とはいかないようで・・・

まあ笑えます。

笑いたおして終わりの痛快コメディと思いきや、ジム・キャリーの顔芸が何度観ても楽しくて、ついリピート。これは何度でも楽しめます。

愛する者を幸せにするために人を騙すってどうなの?なんて、ンなこたぁどうでもよろし!!

愛と笑いこそすべて!

その分、実在のスティーヴンはたっぷりツケを払ってますしね。

 

しかしだいぶ脚色が加わっているとは言え、ここまで人を騙せる能力があれば、普通に働いても大成功しそうなスティーヴン。

それなのに、何故かいつも術に溺れて足がつき、ムショへと逆戻り。

ついつい腕試ししたくなってしまう、詐欺師の性分が災いしてしまうんですかねえ。

そこが、彼の唯一「残念な詐欺師」な部分でもあり、可愛げのあるところでしょう。

過ぎたるは及ばざるが如し。

そのあたりの残念ぶりもしっかり笑いの要素として生かしているこの映画のほうが、スティーヴンよりずっとしたたかなのかもしれません。

 

◆女子力勝負のユアン・マクレガー◆

 

ユアン・マクレガーと言えば「スター・ウォーズ」のオビ=ワン・ケノービを思い出す人も多いと思うんですが、個人的には「トレインスポッティング」や「猟人日記」のアウトローで自堕落な役柄の彼が好き。

濁った空気が彼のセクシーさを一層引き立てる・・・ジャンキーも暴力ヒモ男もハマリ役です。

一方で、「ピーター・グリーナウェイの枕草子」や「ベルベット・ゴールドマイン」、そして「フィリップ~」と、ゲイ役もユアンの得意分野。

ゲイ役OKの俳優は限られるという事情もあるんでしょうが、そもそも同性にモテそうなオーラがありますもんね。

ただ、フィリップ役はこれまでのゲイ役とはまた違って、おつむ弱めのカワイコちゃんキャラなのが新鮮。

意外にこういうユアンもアリじゃないでしょうか。

 

フィリップは決して嫌味なタイプじゃないんですが、自分が金髪に青い眼のカワイコちゃんだってことはしっかり自覚してるらしく、初対面のシーンで「(刑務所の)中庭で見かけないね」と言うスティーヴンに、

「あたし、中庭には出ないの。ほら、あたしみたいに金髪で青い眼のゲイは(可愛くて狙われちゃうから)中庭には行けないのよ?」 (字幕は女言葉じゃないんですが、フィリップは女性的なので、勝手にアレンジしてみました。)

なんて言っちゃう子。

そんな時の上目遣いな仕草も、スティーヴンには可愛いんでしょうねえ。

 

え?服役する前はブロードウェイのプロデューサーの助手?

へえ~!・・・となったところで、実はプロデューサーのブロージョブ専門担当だったことが分かったり、まあ根本的に生活力ゼロのフィリップ。そこもまたスティーヴンにはたまらないんでしょう。

スティーヴンと一緒に暮らすようになっても、夜のご奉仕の他は占い付きチョコ食べてるだけだもんな。

これって男女ものだと何の違和感もないのに、男同士だとヒモに見えてしまうのは何故?

自分に跳ね返ってきそうな話なので、あまり追求はしませんが(笑)

 

少しフィリップが女の子すぎな面はあって、男同士ならではの面白さは少なめかもしれません。

ただ、お姫様だっこまで飛び出すラブラブぶりは、この2人だからこそのカワイさ!

このテのお楽しみシーンはたっぷり詰まってます。

 

冒頭の雲が早回しで流れていく映像は「マイ・プライベート・アイダホ」を思わせるし、ラストシーンで流れる「フィガロの結婚 手紙の二重奏」は「ショーシャンクの空に」と共通していたり・・・と、他のゲイ映画のオマージュもいくつか発見できそうですね。

 

◆実在のスティーヴンは今・・・◆

 

実在のスティーヴンは、現在テキサス州立刑務所で144年の刑に服役中。

過去4回に及ぶ華麗なる脱獄歴から、今回は厳重に監視されていて、1日のうち1時間しか房の外に出ることは許可されていないそうです。

ただ、彼の物語が映画化されたことで、彼の元には映画を観た人たちから毎月数千通もの手紙が届くようになったとか。

犯罪者とは言え、彼は人を殺傷する罪は犯していないし、フィリップへの愛を語るけなげさも共感を呼ぶんでしょうか。

フィリップとは、今は会っていないとか。

ちょっとさびしい2人の恋の顛末にもほろりとさせられます。

(でも、2人の関係がどこまで真実なのかは、この2人しか知らないことですけどねw)

 

 

 

※1 スティーヴン・ラッセルについては、英語版wiki、The Gardian "I love you Phillip Morris: a conman's story" (2009/9/6)、Pink News"Interview: Steven Russell on infamy, escaping prison and Phillip Morris"(2011/10/21)を参考にしています。

 

(画像はIMDbに掲載されているものです。)

 

 

 

 

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