日本の伝統技術(ものづくり)から「炭と鉄瓶、そして漆」・セミナー参加 | マダム侑加のロハスライフ

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持続可能な社会を目指して…

現代人がすっかり忘れてしまった、世界に誇れる日本文化
これぞ究極のスローライフ


これが、第1回のセミナーであるということで挨拶される
女性会斉藤朝子会長・・・



先月だった。珍しく参加をしたいという案内が送られてきた・・・
私にとっては、これほど魅力のある案内はなかった。

〈東京商工会議所女性会研修部ものづくりグループ〉もやるじゃあないか!
定員25名のところ30名が申し込んできたとか。

講師は、美術工芸家の塚本尚司氏(下記写真)であったが、話しのテンポが軽快で知らなかった世界が、目前に優雅に広がるのだった。

塚本氏は、子供の頃に、彦根藩主・井伊直政の朱漆塗りの甲冑の見事さに感動をして東京芸大の工芸家に進み今に至っているそうだ。

子供を見くびっちゃあいけないよ、「子供にこそ良質な本物を」というかねてより言い続けてきた私の持論は、間違ってはいないようだ。

私は、漆というのは、木との組み合わせしか知らなかった。ところが、日本人は甲冑や鉄器に防錆用として応用してきたそうだ。

日本では、徳川吉宗将軍在位の頃、ヨーロッパはロココ様式の全盛時代。ロココの女王といえば、弱体化していった王室財政の中でそれでも税の限りを尽くし、断頭台の露と消えたマリー・アントワネットが有名だ。

その頃、日本の黒呂色漆塗りの家具・調度品の魅力が王侯貴族等を魅了したそうだ。そして錬金術師に考えさせたのが黒のラッカー塗装鏡面磨きなのだそうだ。ピアノ塗装である。

大地の館で、子供たちに汁物は漆器に入れて出してやるように指示しているが、プラスチックのまがい品との区別が判るようになるだろうとの考えからである。

講演で、やはり強調されていたことが嬉しかった「子供の頃に漆の質感を体験しなければ、その人は一生漆器を愛用しない」と。漆器をJapanというということを以外と知らない。そして陶器はChinaという。



次の話は、炭と鉄に。鉄瓶といっても判らない現代っ子が増えている・・・16世紀中の手取り釜が祖型で、18世紀中に鉄瓶の呼び名が付いたそうだ。

旧南部藩主の城下町盛岡で生産された、鋳造の鉄瓶をいう。鉄の鋳造とは、鉄を熱し溶解した鉄(ねずみ鋳鉄)を鋳型に流し込んで作る製法で製法には2種類あるそうだ。

ひとつは、伝統工芸の一品製作の茶釜、鉄瓶の「焼型法」鋳型の実型に粘土と川砂を混ぜた土で、凹外型、凸中子を作り充分に乾燥させたあと強化するために、炭火で焼締める。

もう一つは、大量生産の鉄瓶、鍋、などの「生型法」なのだそうだ。鉄には、砂鉄を原料に、炭を燃料に日本古来のたたら製鉄法で作った和鉄鉄鉱石を原料に石炭、コークス、電気を燃料に作った現代の洋鉄の2種類があるそうだ。

たたら製鉄で鉄2トンを作るには、砂鉄24トンと炭28トンが必要になるとか。炭28トンを炭焼き  するには、2山分(100トン)の木を伐採しなければならない。

ここで、正しい知識のない自然保護団体の人々は、環境破壊だと騒ぐことだろう!日本の自然は、年間雨量も多く、切ったら植林する。これさえすれば復元力は多大なのだ。

森林は、唯一持続可能な建材や生活材料であり、持続可能なバイオマスエネルギーでもあるのだ。

話を聞いていて、日本の伝統工芸、日本の築いてきた文化を見直すことが二酸化炭素の削減に如何に大きくかかわってくるか、考えさせられた。

そして、室町時代から、宮廷、社寺、将軍から往来手形、免許状を賜っていた「木地師」が、樹木を求めて自由に全国の山々を歩き、自由に樹木を伐採し、苗木を植え手入れをしてきた。

明治13年地租改正で土地所有権が確立されると自由を失い山を下りて様々な職業に姿を変えていった・・・。輪島塗りなども木地師が伝えていった技術である。

そして今、1960年池田内閣の高度経済成長燃料革命の時代を迎え、農業の機械化が進み漆の木は伐採された・・・。そこら辺から、「美しい日本」はメタメタになってきたのだろう。

雑木で炭焼きをすることはエコロジーである。まさに緑のエコライフである。持続可能な循環型の社会を再生することが急がれている。

里山に人が入り雑木を伐採することで、太陽光線が地面に届き、森林が活性化し、再び雑木が成長して雑木林は、リサイクルが出来るのだ・・・。

今日の里山や森林の環境悪化を招いた根源は池田隼人であり、時の政府だったのだ!経済成長ばかりを追い、燃料革命をした結果、長い時間が経ってみたら、夕張であり山林の荒廃であり、自然体系が壊れ、野生動物と共存出来なくなってしまった日本!

私たちは、ささやかでも良いと判ったことを実践していこうではないか!

白炭を地球環境のために家庭でも使おう!白炭は、安心、安全、臭くない、そのまま置いておけばマイナスイオンが発生してくれるし、白炭の威力はすご~い。

最後に、鉄瓶について

漆と鉄瓶は密接な関係があるのだそうだ・・・・
鉄瓶を炭火で真っ赤に焼いて黒錆を発生させるのだそうだ。

錆には、黒錆びと赤錆びの2種類があり、体に良いのは黒錆び・四三酸化鉄Fe3O4である。黒錆は、緻密な被膜を形成し空気中の酸素O2と水H2Oとが鉄と接触出来なくする。

赤錆は、被膜のすき間が多く、錆を進行させる。鉄瓶でお茶を入れると味がまろやかになるのは、鉄分を含んだお湯とお茶が反応して、タンニン酸鉄が形成され、お茶のタンニンの渋味が軽減され、ミネラルの鉄分が取れるのだそうでした。