「イージー・ライダー」アメリカの自由を探して | Texas Rose Cafe

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イージー・ライダー ― オリジナル・サウンドトラック/ステッペンウルフ

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キャプテン・アメリカ(ピーター・フォンダ)とビリー(デニス・ホッパー)はコカインの密輸で得た札束をハーレーのタンクに隠し“アメリカの自由”を探す旅に出ます。そんな時に絶妙のタイミングで流れるのが誰もが耳にした事があるステッペン・ウルフの「Born To Be Wild(ワイルドで行こう)」です。映画を観てない人でも『イージー・ライダー』で印象的な曲と言えば「Born To Be Wild」と答えるでしょう。この映画でプロデューサーを兼ねた主演のピーター・フォンダは、制作費を抑えるために音楽は既成のものを使いました。この時、彼はボブ・ディランの意見を参考にしたそうです。



この映画を観るにあたり必ず押さえておくべき点があります。1960年代後半のアメリカが抱えていた様々な問題です。ベトナム戦争、マリファナ、ヒッピームーブメント、公民権運動、指導者の暗殺などなど。ピーター・フォンダはそんなアメリカの現状を憂いこの映画を作ったような気がします。アメリカに真の自由はあるのかって。

この映画の中で最も重要な曲は終盤に掛かる「It's Alright Ma 」だと思います。ボブ・ディランは『Bringing It All Back Home 』に収録されていたこの曲が映画のラストで使われるのを良しとしなかったそうです。7分30秒のこの曲が映画用に短くされるのいやだったのか、ラストシーンにはもう少し相応しい曲があると思ったのかその真意はわかりません。結局はロージャー・マッギンのヴァージョンが使われ、ピーター・フォンダは映画のラストにふさわしい歌詞をボブ・ディランに依頼しロジャー・マッギンが唄う「Ballad Of Easy Rider」として付け加えました。

キャプテン・アメリカも彼を演ずるピーター・フォンダもアメリカの自由に対して様々な葛藤があったように思われます。当時の若者が思い描く自由は本当に正しい自由なのか、鳥かごの中の自由だってもしかして有りなんじゃないかとか。この映画を最後までご覧になった方は、キャプテン・アメリカが最後に回したアクセルがどんな意味を持っていたのかを考えると思います。今の僕が思うのは鳥かごを抜け出すためのフルスロットルだったと思いたいんですが...



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