ゴッホの耳 | Texas Rose Cafe

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Blue Pacific/Michael Franks

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数年前の事ですがヴィンセント・ヴァン・ゴッホの“耳切り事件”について新説が出回ったことがあります。従来の説はゴーギャンがゴッホとの共同生活に終止符を打ちアルルからパリに向おうとした時、精神的に不安を抱いていたゴッホが逆上し自らの手で耳たぶの一部を切り取り、なぜか売春宿の女にその耳たぶを届けたとう説です。これに対して新説は売春婦をめぐる口論の末ゴーギャンが剣を振り下ろしゴッホの耳たぶを切り落としてしまったという説です。どうもこの新説はゴッホの絵がお金にしか見えない研究家の捏造としか思えません。

マイケル・フランクスの1990年のアルバム『Blue Pacific』のなかに「Vincent's Ear」という曲が収録されています。もちろんゴッホの切り取られた耳を題材に作られた曲なのですが、この曲では誰がゴッホの耳を切り取ったかではなくて、なぜゴッホが切り取った耳を売春婦に届けたのか、そして思いがけない贈り物を受け取った彼女の気持ちはどんなだったかを想像してみて欲しいと歌っています。

さすがに現実の世界では切り取った耳を贈られる事はありませんが、意表を突くプレゼントを贈られ相手の真意が理解出来ない事はあるかもしれません。大好きな人からの意表を突くプレゼントは時には“surprise”という言葉で片付けることはできますが、それほど好きでもない人からの意表を突くプレゼントはちょっと怖いかもしれませんね。



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