宮殿伝説②風に語りかけても・・・ | Texas Rose Cafe

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クリムゾン・キングの宮殿 (ファイナル・ヴァージョン)(紙ジャケット仕様)/キング・クリムゾン

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「クリムゾンキングの宮殿」からの2曲目はイアン・マクドナルド作曲、ピート・シンフィールド作詞の「風に語りて」です。この曲はキング・クリムゾン結成前からイアン・マクドナルドによって唄われてたそうです。

この詩の登場人物はstraight man とlate man、そしてIとYouです。この詩の解釈は人それぞれで興味深いですが、時代背景を考えると案外単純な話かもしれません。鍵となる言葉はconfusionとdisillusionです。混乱と幻滅がとりまく世界で、ベトナム戦争に徴兵された若者が、あるいは世の中の不条理に直面した若者が、自分が生まれてきた本当の意味を探るべく自問自答してるような気がするんです。つまりこの曲の登場人物はたったひとりのmeじゃないかなって。そしてmeの孤独の問いかけは風に語りかけたとしても誰も答えてくれません。結局はまた自分で答えを探すしかないんです。

イアン・マクドナルドのフルートとクラリネットが風なら、マイケル・ジャイルズのシンバルは木々のざわめきのような気がします。そしてグレッグ・レイクのボーカルがmeだとしたら、イアン・マクドナルドのハーモニーは自分の中にいるもう1人のmeにすぎないのではないかと思うんです。



狂乱の1曲目と対照的なこの曲は、何も次の曲を引き立てるためだけにあるのではありません。しかし宮殿建設はさらに次の曲へと続きます。

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