亡骸
死んだセミの写真を見せたとしても
虫だからたとえ亡骸だとしても
そんなに過剰な反応にはならない
だけど もしも
それが死んだ人間の写真だとしたら
ものすごく嫌な気持ちになるでしょう
どうして同じ命の抜け殻なのに
そんなにも違うのでしょうか
それは人間が感情を持つ
生き物だからなのでしょう
映画などで動物や昆虫を
主人公にしたものでは
様々な感情を通して
物語は進んで行きます
そして人々はそこに
感情移入をして感動します
実際には動物や昆虫に
明確な感情があるのかは
分からないものだと私は思います
まさに人間が作り出した映画という
物語自体が感情を持つ人間を
表しているものなのです
また感情を持つ人間は
写真ひとつに言葉を添えるだけでも
意味や見方が大きく変わります
『眠っている人』
『死んでいる人』
『眠っている』
と
『死んでいる』
では この写真の見方は
全くの別物になります
このように人は感情によって
自分の頭と心の中で
物語を作り上げていきます
人は感情移入する生き物
それが人間の良い所でもあり
悪い所でもあるのですが
そのおかげで『愛情』という
素晴らしい感情もあることは
紛れもなく『確かなこと』
今日はそんな感情をくれた
父が1年前に亡くなった日
その感情のおかげで
今生きている家族とは離れ
独り父の死を想います
あなたの背中を見て育った息子は
あなたに似て不器用な生き方です
だけど自分の信念には正直に生きてます
いつもあなたは心のなかに…
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201009261033エッセイ『もの想い』
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今日は父の一周忌です。
父はいつも僕のことを陰ながら
心配してくれていました。
だけどお互いに頑固で不器用
反発ばかりしていました。
似ている所もあれば逆もある。
それでも心の底からは
嫌いにはなれない存在でした。
本当は父のことが大好きでした。
情にもろい所も情が深い所も
本当に愛すべき人でした。
そんな父に死んでからも
心配をかけている僕は
親不孝な馬鹿者だと思います。
だけど自分の思うように生きる僕は
ちょっとは親孝行なのかもしれない。
父が生きている間には
ほんの少ししかできなかったけど…
※ちなみにこれらの写真は
撮った時点ではそれぞれ
生きていた時の写真です。